岡田阪神が延長の果てに競り負け、下位に低迷する中日相手に痛恨の1敗を喫した。2-2同点の10回に4番手で登板した島本浩也投手(30)がプロ13年目、球団最遅の登板128試合目にしてついに初黒星。6カードぶり勝ち越しもお預けで苦すぎる夜になった。

2死二塁で、岡林に投じた低めのフォークをうまく拾われた。打球が右翼前川の頭上を越えると、甲子園に悲鳴とため息が交錯した。15年のデビュー以来、負け知らずだった左腕は「死球がもったいなかった。高くいっちゃったのでもったいなかった」とくちびるをかんだ。決勝三塁打以上に1死走者なしから代打福田に与えた死球を悔やんだ。

岡田監督も残念無念だ。「死球やろ、そら。痛いどころちゃうやん。外(角に)外しといたらいいのに」。簡単に2球で追い込んだ後の3球目、高めのつり球が内角に入りすぎ、当ててしまった。外で1球、様子を見ておけば…。島本本人と同じく、それほどもったいない投球と感じていた。

高橋宏に0封されてきた打線は7回、木浪と近本の適時打で2点を奪い、同点に追いついた。指揮官も「よう追いついたと思うよ。今日の(高橋宏の)投球を見たら」と納得顔だった。投手陣も先発大竹が2回に2失点したが、その後追加点は許さず粘りの投球。8回は岩貞、9回は岩崎と0のバトンをつないだ。だが10回に悪夢が待っていた。

岡田監督は「9回で(勝ちパターンは)終わってるやんか」と厳しい表情で言った。勝ち越し打を浴びた島本を救援した5番手加治屋も、ビシエドに適時打を浴びて追加点を献上。チームは今季延長7試合目で初黒星を喫した。2位DeNAも敗れて首位陥落は免れたが、3位広島が3差に大接近。4位巨人も5差で迫るなど痛い1敗になった。

交流戦を借金3で終え、リーグ再開後も1勝4敗と苦境が続く。球宴まで残り16試合は文字通り踏ん張りどころだ。島本は「次は絶対やり返したい」とリベンジを誓った。初めて味わった悔しさをバネにフル回転してほしい。【石橋隆雄】

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