2軍調整中の阪神佐藤輝明内野手(24)が7日の中日戦(甲子園)で1軍復帰する方向になった。岡田彰布監督(65)が3日までに復帰の見通しを明かし、2軍降格の要因ともなった精神面の復調も期待した。力強さを取り戻した佐藤輝の復帰で、打線はさらに厚みを増す。

岡田監督が佐藤輝の1軍復帰プランを固めた。5日の広島戦(マツダスタジアム)で出場選手登録が可能となるが、岡田監督が「甲子園やろ。そんなあわてて上げる必要ないよ。(広島から)近いけどな、福岡からやったら」と、7日ヤクルト戦から合流させる考えだ。

「猛虎」になって帰ってくることを期待しての決断だ。DeNAとの首位攻防戦のさなかに、6月24日に2軍降格を命じた。照れ屋で真面目な性格で、もともと感情をあまり表に出すタイプではないが、打撃不振とも重なり首脳陣からは覇気なく映ることもあった。

2年ぶりの2軍生活は、打撃だけでなく、1軍選手として試合に臨む姿勢を見直す期間とするための時間になった。佐藤輝自身も「プレー以外のことも見つめなおして、しっかりやっています」と話すように、練習から若手の手本にと心がけている。2軍戦は4試合で打率4割(15打数6安打)、6月27日、28日には独立リーグとの練習試合のため北陸遠征にも参加。和田2軍監督も1日の2軍オリックス戦後には「しっかり守って、姿勢としては気持ちの出ているプレーが多かった」と評価。岡田監督も「ちゃんとやっとるやろ」と、変化を感じ取っている。

不動の4番大山に、売り出し中の前川、そして本来の5番佐藤輝が戻れば打線の厚みは増す。岡田監督は「今度上がってきて左投手やから(スタメンから)外すとか、それはもうあかんからな。打つ、打たんよりは、打席の中の内容とかな。そういう姿やな」と話す。勝負の後半戦で同じように心身を見つめ直す降格の時間はない。ガムシャラにレギュラーの座を守れ-。指揮官の思いを込めた1軍復帰だ。

4日からは2軍ソフトバンク3連戦(タマホームスタジアム筑後)で、最終調整。「しっかりやるべきことをやりたい。頑張ります」。心身ともに総仕上げし、首位固めのキーマンとして帰ってくる。【石橋隆雄】

◆佐藤輝の2軍降格VTR 6月24日のDeNA戦(横浜)で今季2度目の欠場となった。チームは首位攻防3連戦の2戦目も落とし、試合後に2軍降格を通達された。夜に名古屋へ移動し、翌25日はウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)に5番三塁でスタメン出場。三塁打を含む5打数3安打と意地を見せた。平田ヘッドコーチは「初心にかえって鍛え直してやってこいというところ。しっかり若手も練習から見ている。そういうところも意識して」と降格理由を説明した。

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