日本ハム新庄剛志監督(51)が繰り出した先手が決まったが、最後はソフトバンクの勝負手に屈した。スタメンマスクの伏見に代打を送った5回に2点を返し、7回も1点を奪って序盤の3点ビハインドをはね返したが、同点の8回はソフトバンク藤本監督が代走周東を起用。足を警戒した捕手マルティネスがウエストした投球を捕球できずにピンチを広げ、決勝点を献上した。連勝はならず、チームは今季ワーストタイの借金19に逆戻りした。

  ◇  ◇  ◇

大事を取るための一手が、試合の流れを取り戻すきっかけとなった。新庄監督は3点を追う5回に、スタメンマスクの伏見に代打ハンソンを送った。のっぴきならない事情があった。

新庄監督 (伏見が第1打席で)ちょっと詰まりすぎて、めちゃくちゃ右手が腫れていたんですよ。投げるのもなんとか、ごまかしながら行っていたんだけど、無理しないでおこうっていうところで代えました。

後半戦は、ほぼ正捕手として起用している伏見を試合中盤で代えるリスクと右手の状態をてんびんにかけ、早めの交代を選んだ。

ハンソンは出塁できなかったが、その直後に打線がつながって、5回の守備からマスクをかぶったマルティネスが2点適時二塁打。7回も併殺崩れの間に一時同点まで持ちこんだ。新庄監督の先手が試合を動かしたが、最後は相手の勝負手を受け止めきれなかった。

8回の守備。1死一塁で敵将の藤本監督は一塁走者の正捕手、甲斐に迷わず代走周東を送り込んだ。打者三森に対して1ボールからの2球目に周東はスタート。バッテリーは二盗阻止へ、ストライクゾーンから大きく外すウエストで対抗もマルティネスが落球。悠々と二盗を決められ、三森に決勝適時三塁打を浴びた。

新庄監督 足の速いランナーになると、速く投げたいから急ぎすぎて、ミットに入る前にランナーを見てしまう。ウエストは簡単に考えたらキャッチボール。ちょっと、あり得ない。

伏見の早期交代は、こんな勝負どころも見据えて打った布石だったはずだが、実らず。CS圏内の3位ソフトバンクとは「11・5」差となった。【木下大輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧>>