広島が、マット・デビッドソン内野手(32)の初の1試合2アーチでヤクルトに連勝した。

2点を追う2回、先頭でヤクルト先発のピーターズの145キロ直球を捉えて左翼スタンドへ。さらに5-6と1点を追った5回1死一塁で、ピーターズのフォークを17号の逆転2ランに。マツダスタジアムでは4戦連発で、1試合2発は初。初めての猛打賞もマークした。

本拠地でのアーチは13本目で、デビッドソンがマツダで本塁打をかければ負け知らず。お立ち台に上がったデビッドソンは「マツダスタジアム大好きです。ここでホームランを打てるというのは、本当にいいことだと思う」と笑って真っ赤なスタンドを喜ばせた。その後は首脳陣への感謝を繰り返した。「苦しい時期でもチャンスを与えてくれていた新井監督を始めコーチ陣には、感謝をしてもしきれない。そんな気持ちでいっぱい。何もできていない時期にスタメンの機会を与えてくれたり、ピンチヒッターの機会を与えてくれたりして自分を信頼してくれていた。それに応えようと一生懸命だった」と生真面目な助っ人らしい思いを明かした。

新井貴浩監督(46)も「ね。ホームランっていいですね。彼の努力のたまものだと思いますよ。あとは打撃コーチのサポート。彼の野球に対する姿勢というのは、まわりが何とかしてあげたいという。それも日頃の頑張り」と応じた。デビッドソンのひたむきさを首脳陣が受け止め、ペナントレースの終盤での好結果で実らせている。

先発の森下暢仁(26)が今季最短の4回5失点で降板。ヤクルトに傾いていた流れを、打撃陣が押し戻した。逆転後は中継ぎ陣が好投のバトンでつなぎ、8回を3人で抑えた島内颯太郎投手(26)は日本人投手で今季のチーム単独1位となる32ホールドをマーク。個人の記録も生まれる中、本拠地でのヤクルト戦は無敗の11連勝となった。

▽広島島内(日本人投手でチーム単独1位となる32ホールド)「1試合1試合の積み重ねがここまで来たと思うので。自分ではここまで来ると思ってなかったので、うれしいです」

▽広島森下(今季ワーストの5失点で、今季最短4回で降板)「チームが勝ってくれたので、また準備して頑張るだけです」