日本ハムは29日、台湾出身の最速156キロ右腕・孫易磊(スン・イーレイ)投手(18)と契約合意に達したと発表した。来季が就任3年目となる新庄剛志監督(51)も「(映像で)見ました、見ました。素晴らしいっすよね。一目ぼれするぐらいのボールを投げていたので、期待したい」と獲得の吉報を待っていた“台湾の至宝”が、2年連続最下位から巻き返しへの補強第1弾となった。

稲葉篤紀GM(51)は球団を通じて「今年の春先から、孫選手が“投手”として急激に力を付けてきたことに注目していました。昨年まで野手がメインであったとは思えぬほど、しなやかなマウンドさばきが非常に印象的です。U18(W杯)の日本戦で見せた勢いのあるストレートはもちろんのこと、相手打者に全くスキを見せない度胸満点の投球内容に、将来への飛躍を強く感じました。台湾の方々にとって宝物のような存在だと思います。しっかり時間をかけて育成し、将来は世界を相手に戦うようなスケールの大きな投手になることを願っています」とコメントした。

孫易磊は高校1年まで一塁手や外野手などでプレーしていたため、投手歴は2年ほどだが、抜群の球速と球質を持つ右腕は9月上旬に台湾で行われたU18W杯では台湾代表のエースとして出場した。外野手としても出場登録されていた同大会では投手に専念し、開幕戦でオーストラリアを圧倒して完封。決勝の日本戦でも先発し、4回1/3を投げて2安打2失点(自責1)など4試合に登板して14回を投げて15奪三振で防御率0・50だった。日本ハムは稲葉GMや大渕隆GM補佐兼スカウト部長(53)らを現地へ派遣し、投球を生チェックしていた。

今月18日には、複数の台湾メディアが日本ハムと孫易磊が契約間近で近日中に記者会見を行う見通しだと報じていた。また、メジャーの球団からは30~40万ドル(約4350万円~5800万円)のオファーを受けていたとも報道されるなど、日米での争奪戦となっていた孫易磊の進路は現地で大きな注目を集めていた。

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