明大のドラフト候補、上田希由翔(きゅうと)内野手(4年=愛知産大三河)は、笑顔でシーズンを終えた。打点を74まで伸ばし単独で歴代4位と、東京6大学野球の歴史に名を残した。

2-2で迎えた7回2死二塁、右翼線へ高いフライを打った。右翼手が捕球体勢に入ったが、ちょうど太陽と重なったため落球。適時三塁打となり、貴重な1点を追加した。「捕られると思ったんですけど、運もよかったです」と振り返った。

試合後、号泣するチームメートもいたが「昨日(22日)泣きすぎました」と笑った。前日、法大に逆転負けを喫し、優勝の可能性がなくなった。4連覇には届かなかった。寮に戻ってからのミーティングで、主将としてチームに思いを伝えながら涙が止まらなかった。「泣きすぎて、何を言ったのかあんまり覚えてないんですけど」と前置きした上で「勝って終わろうというようなことを言ったと思います。後輩たちに、いい形でバトンをつなぎたいという思いがあった。勝って終われたので、よかったと思います」。中日村松ら、先輩たちからも「思い切りプレーしてこい」とメッセージをもらった。

この日は上田希をはじめ投手陣も野手も、4年生が活躍した。「4年生が引っ張ってくれて、いい形を見せられたと思います」。

なかなかキャプテンが決まらなかった新チーム結成時。あまり多くを語らない今までの自分の姿を覆し、言葉とプレーでチームを引っ張ってきた。上田希の背中はたくましかった。

◆東京6大学の通算打点5傑 (1)81打点・岡田彰布(早大→阪神1位)(2)78打点・大森剛(慶大→巨人1位)(3)76打点・田淵幸一(法大→阪神1位)(4)74打点・上田希由翔(明大→?)(5)73打点・武内晋一(早大→ヤクルト希望枠)