ソフトバンクの育成野手3人が支配下契約を手中に収めた。

小久保裕紀監督(52)が17日、川村友斗外野手(24)、仲田慶介内野手(24)、緒方理貢外野手(25)を、本番モードとなる19日からの阪神戦(ペイペイドーム)も1軍に同行させると明言。他の支配下選手が2軍降格を言い渡された中、3桁の背番号トリオが生き残った。走攻守でアピールを続ける3人が、残り8つの支配下枠に入ることは決定的となった。

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アピール期間の最終日だった西武戦を終え、小久保監督は言った。

「彼ら3人は阪神戦までいます」

「彼ら」とは春季キャンプ初日から1軍同行を続けている川村、仲田、緒方の育成トリオ。かねて19日の阪神戦から本番を想定した采配を行うと話してきたが、その本番モードにも育成野手をメンバー入りさせるということだ。

支配下昇格の可能性は「十分可能性があります」と明言こそ避けたが、残る支配下枠は8つもある。開幕直前まで1軍同行させることで支配下昇格は決定的だ。野手では正木、投手では松本晴が2軍降格を告げられた中、3桁の背番号3人が生き残った。

川村は9日ロッテ戦で本塁打を放つなど、オープン戦は15打数4安打。この日は途中出場で2盗塁を決めた。仲田は21年ドラフトの最終128番目に指名された「最後の男」で、複数ポジションを守れるユーティリティープレーヤー。オープン戦はこの日まで安打がなかったが、6回に代打出場して二塁打と四球を奪った。緒方はプロ2年目にウエスタン・リーグで盗塁王を獲得し、オープン戦は11打数6安打の打率5割4分5厘。この日は慣れない中堅守備で好返球を見せ、バットでは2安打を放った。

その3人を2軍監督時代から指導してきたのが小久保監督。キャンプイン初日から約1カ月半にわたるチルドレンの躍動に、指揮官の称賛は止まらない。

小久保監督 彼らがチームに対していい影響を与えてくれていたのは事実です。やっぱり心打つものがありました。いい姿で野球をしている。純粋に四球1つ、スチール1つ、ワンプレーが(結果や評価に)直結するという。ずっと支配下だったら忘れているものというか。そういう部分では彼らはやってくれた。

3人の育成選手が同時に支配下契約をつかみとれば、球団だけでなく球界としても異例になる。小久保監督は「戦力なんで。育成選手ですけど、支配下に劣らない。あとから行く選手としては十分評価しています」と最後までうなずいていた。【只松憲】

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