地元ハマスタで進化証明だ! 6連勝で首位に立った阪神は、23日から横浜でDeNA2連戦。リーグ最多タイの4本塁打で進撃に貢献中の森下翔太外野手(23)は特別な思いで臨む。新人だった昨年は、同球場で4月にプロ初の2軍落ちを味わうなど、球場別ワーストの打率1割5分8厘など苦い思い出ばかり。「進化した自分をハマスタで見せたい」と地元横浜で首位固めウイークの主役になる意気込みを示した。

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森下にとって、1年前の横浜は忘れようにも忘れられない。4月16日のDeNA戦で平良らの前に見逃し2つを含む3打席連続三振。2軍行きが通告された。「去年は横浜が自分の中では課題だった。しっかり打ち崩せるように、打線を引っ張っていきたい」。苦い思い出を振り返りながら、表情を引き締めた。

ルーキーイヤーは開幕スタメンを勝ち取った。順調にプロ初安打、初打点も出したが、すぐに急降下。降格の時点で本塁打はゼロ。岡田監督は「バット出えへん、見送ってばっかりで」と消極性を指摘し、横浜の地で再調整を命じた。

プロの壁にぶち当たり、敵地の雰囲気にも面食らった。横浜出身の背番号1にとって、横浜スタジアムは東海大相模時代に暴れ回った庭だったが、昨季のセ球場別で打率1割5分8厘はワースト。「いい左投手が多かったし、横浜のファンのみなさんは、ちょっとやりづらい雰囲気をつくってくる」と振り返る。だが、今は違う。地元で味わった嫌な思い出を覆す自信がある。「それをはねのけるようなメンタルと、実力を示したい。新たに進化した自分をハマスタで見せたいと思います」と言い切った。

今季はチームを初勝利に導いた3月31日巨人戦の1号3ランに始まり、今月3日のDeNA戦では逆転の決勝2ラン。10日の甲子園ではチーム1号を放ち、17日の巨人戦では決勝二塁打など、打線全体が苦しい中で何度もチームを救った。

4本塁打はヤクルト村上、オスナに並びリーグトップに。打点は前日3ランの佐藤輝に1差で抜かれたが、同2位タイの13を稼ぎ、勝利打点3はリーグ2位タイの勝負強さを誇る。無敗だった先週の甲子園6連戦は20打数9安打と打ちまくり、1割台だった打率も2割3分9厘に上げてきた。ドラフト1位クリーンアップで刺激し合う大山、佐藤輝も調子を戻し、チームの得点力アップに貢献した。

投打がかみ合ってきたチームは引き分けをはさんで6連勝中。前日21日には首位を奪い、快走モードに入った。頼もしい2年目スラッガーが宣言通り進化を示せば、独走態勢に入ってもおかしくない。【柏原誠】

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