阪神石井大智投手(28)が珍しく焦りを顔に出した。1点リードの8回2死走者なし。巨人リチャードに投じた3球目の136キロ変化球が甘く入り、打球は左翼ポール際へ。ファウルゾーンの柵に当たると「あっぶね~」と口を動かした。4球目の149キロ直球は外角きわどいコースで詰まらせ一ゴロ。44試合連続無失点でプロ野球記録をさらに伸ばすと、今度は表情を変えずにベンチに向かった。
「横浜で藤川監督にアドバイスをいただいて、すごくいい感覚で投げられた。アドバイスのおかげです」
3-2の8回、26日DeNA戦以来4日ぶりのマウンドに上がった。28日の同戦では疲労も考慮されてベンチ外となるなど、間隔が空いていた。武器のシンカーで先頭からキャベッジ、吉川を2者連続の空振り三振斬り。意外にも9日ヤクルト戦以来、登板6試合ぶりの3者凡退だ。「最近はランナーを出してばかりだった。反省するところもあるけど、なんとか3人で終われて、いい流れで渡せたので良かった」と胸をなで下ろした。
連続イニング無失点も「43」に伸ばした。球団3位のまま、2位の小山正明まであと4回、1位の藤川監督まで4回2/3。新たな記録更新にも1歩ずつ近づいている。防御率は0・19。ついに0・2を切った。
リチャードの打球での動揺には理由がある。登板時は1点差。失投が本塁打になれば同点だった。常に、記録よりもチームの勝利が最優先の右腕。1点をとられなかったことよりも、無失点記録が途切れなかったことよりも、追いつかれず勝利できたことが重要だ。
打線は6回以降、3イニング連続で満塁のチャンスを作りながら無得点。ドリス、及川、石井、岩崎の救援4人が無失点リレーで流れを渡さなかった。藤川監督は4投手を「いろんな経験をしながら全て自分の糧にして今日までやってきている選手たち。現状で言うことはないです」と絶賛。強固な虎のリリーフ陣が、V奪回へチームを支え続けている。【塚本光】



