ソフトバンク岩崎翔投手(19)が16日、自ら“ハンディ”を課しながら1軍生き残りへ結果を出した。シート打撃に初登板して打者14人に対して被安打4。小久保からはチェンジアップで空振り三振を奪った。「感触は本当に良かった」と白い歯をのぞかせた。

 実はマウンドに上がる前、自身に「スライダー封印」の制約をかけていた。投げたのは直球とカーブ、チェンジアップだけ。「スライダーを投げれば抑えられるかもしれないけど、あまり投げると真っすぐが伸びなくなる。どこまでやれるかも試したかった」。打ち込まれれば今後の登板機会に影響するリスクを承知の上で、先を見据えた挑戦を敢行。「右打者相手にチェンジアップを使えたのは収穫。『使えるかな』と思った」と手応えをつかんだ。

 課題のクイック投球でも進歩を見せた。投球までの時間は最速で1秒1と、基準とされる1秒2をクリア。高山投手コーチも「タイムも精度も上がったし、合格点。次は紅白戦だね」と目を細めた。

 次回は19日から始まる第5クールでの紅白戦に登板する見込み。「オープン戦が始まるまでは、いけるところまで(スライダーは)使わないつもり」。ローテ入りを狙う右腕は厳しい環境に身を投じ、自分を磨いていく。【太田尚樹】

 [2009年2月17日11時3分

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