世界一の次は日本一だ!

 巨人原辰徳監督(50)はロケットスタートにこだわらず「育てながら勝つ」スタイルでリーグ3連覇に挑む。2日の開幕前日会見で「若い力に大きく期待している」と、エース上原(オリオールズ)が抜け若返った先発投手陣や1番を任せる亀井らの成長に期待した。序盤の苦戦は覚悟の上。日を追うごとに結束し世界一に輝いたサムライジャパンのように「今日より明日、明日より明後日、1試合1試合力をつけていけばいい」と、秋に最強チームとなる日本一奪回プランを描いた。

 今年もシーズンが幕を開ける。何度経験しても、身の引き締まる思いは変わらない。原監督は「開幕戦は特別な意味合いがありますね」と、単なる144分の1ではない、大事な一戦と位置付けた。だが、今年は目先の勝ち負けと同時に、チームを“育てる”という使命も背負う。

 原監督

 開幕戦はもちろん勝てればいいですけど、負けても気にする必要はない。課題という部分を残したところがあるので、シーズンの中で成長、というか結果や証しを見せていくことが大事になる。

 エース上原が抜けた先発ローテーションに、東野や福田らが加わった。不安がない、と言えばうそになる。「若い投手は、マウンドで目の色を変えた戦いを見せてほしい。そして、上原の存在を抜くような選手が出てくることを期待したい」。打線についても同じことが言える。亀井と鈴木の「1、2番コンビ」が機能するかは未知数。「ポジションを与えることはできるが、それを守れるかどうかは本人次第。(開幕スタメンを外れる)谷だって黙っていないと思うしね」と言い切る。激しい競争の中で若い力を一皮むけさせ、チーム力の底上げを図る。

 未知数な部分を抱えているのは、選手だけではない。代表監督との兼任で、キャンプ、オープン戦と大事な土台作りの時期にチームを見られなかった影響が、いつ、どんな形で出てくるか分からない。原監督自身にとっても大きな挑戦となる。「守るのではなく、相手に挑戦する気持ちで戦う。受けるようなことは100%ありません」。ユニホームや舞台が変わっても、戦いに臨むスタンスに変わりはない。挑戦者として、連覇への道を切り開く。【広瀬雷太】

 [2009年4月3日8時54分

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