<楽天9-5ロッテ>◇18日◇Kスタ宮城

 楽天は試合前に野村克也監督(74)に説教を受けた渡辺直人内野手(28)が3安打で奮起した。

 ノムさんのカミナリが効果抜群だった。楽天渡辺直が3安打猛打賞で、1打点1得点。1、4回は右前へ低く強い打球が伸びた。5回は2死二塁から中前にライナーではじき返す適時打。塁に出て走り、かえる。中軸につなぐ2番打者の仕事を忠実にこなし、打線に勢いをもたらした。

 試合前のフリー打撃だった。報道陣の前で、カミナリはごう音を立てた。アッパースイングの矯正を指令された渡辺直はバットを極端に上からたたく“大根切り”のような打撃を繰り返した。ベンチにいた野村監督はケージを出た渡辺直を呼びつけて、「レベルスイングをしろと言っているんだ。あれでは違うだろ。監督への冒瀆(ぼうとく)だぞ。ぶっ飛ばすゾ!」と激怒。就任4年で最大の怒声だった。

 試合後の渡辺直は「ああいうふうに言われたのに試合に出してもらっているのを意気に感じ、絶対打ってやると思っていた。間違いを正してもらって、いい意識で打席に入れた」と話した。普段から低く強い打球を意識しているが、監督の大噴火に意識はさらに研ぎ澄まされた。

 [2009年9月19日8時55分

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