ヤクルトが今季初となる対外試合で屈辱を浴びた。18日、沖縄・浦添で行った韓国サムスン相手の練習試合で、走者は四球出塁の1人だけという準完全試合を許してしまった。若手中心のヤクルト打線13人の安打はゼロ。高田監督も、雨まじりの強風に試合を重ね合わせて「寒かったねえ」と言うしかなかった。

 9回2死、高井のライナーが右翼手のグラブに収まると、スタンドから嘆息がもれた。「あーっ」。打球の行方を見届けた高井は天を仰ぎ、ヒザから崩れた。「結果を出さないとダメですから。甘い球をしっかり打てなかった」。投手から転向した1番打者は4回にバント安打も試みたが、それも実らなかった。

 サムスンは韓国リーグで昨年最多14勝を挙げた尹盛桓が先発、5投手を繰り出した。元中日投手の宣銅烈監督は「今日の試合はうちの投手がよかった。試合ができてよかったよ」とニンマリだ。その投手陣に対したヤクルトは3回、衣川が選んだ四球が唯一の出塁。凡フライが27アウト中16を数えた。試合後、直ちに淡口打撃コーチが打撃陣を招集した。

 「振り切れていない。当てに行っている。軸足に乗って回転できていない。それをもう1回、チェックしなおそうと言いました」と話した。20日には中日相手のオープン戦初戦(北谷)が控える。室内練習場に移動するやフリー打撃を再開。同コーチは身ぶり手ぶりの直接指導を始めていた。【米谷輝昭】

 [2010年2月19日7時54分

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