<オリックス10-8ソフトバンク>◇14日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク投手陣の「魔の水曜日」が終わらない。今季初先発の神内靖投手(26)が3回途中7失点KOされるなど計10失点。打線の粘りで同点に追いつくも、最後は中継ぎエースのブライアン・ファルケンボーグ投手(32)までもが自身の失策で決勝点を献上し、来日2年目で初黒星を喫した。ローテの谷間となっている水曜日は、今季3試合すべてで先発投手が4回までにKOされて全敗。波に乗れないチームは1日で4位に逆戻りした。

 まさに「ブラック・ウェンズデー」。来日後54試合無敗だったリリーフ右腕までもが“投壊”の波にのみ込まれた。8-8と同点の8回1死一塁、オリックス赤田のバントを捕球したファルケンボーグの手元が狂った。余裕でアウトのはずが、送球は一塁へカバーに入った本多のグラブをそれて、無人のファウルグラウンドへ。一塁走者田口の生還を許し、赤田も三塁へ達した。続く後藤の一ゴロの間に1点を追加され、追撃ムードは断たれた。

 ファルケンボーグ

 自分のミス。申し訳ない。

 来日2年目で初黒星を喫した助っ人右腕だけを責めることはできない。「水曜日の悪夢」の発端は今季初先発で3回途中7失点KOされた神内だ。初回に後藤の適時二塁打で1点を失うと、2回に大引の3ラン、3回にはラロッカとT-岡田に連続アーチとめった打ちで降板した。

 試合だけでなくベンチもぶっ壊した。マウンドを降りると、壁に掛かった扇風機めがけてグラブを投げつけ、帽子をたたきつけた。まだおさまらない。腰を下ろしてから前列のベンチを力任せに2度蹴りつけた。怒りをぶつけられたイスは背もたれ部分を砕かれ無残な形に。試合後に緊急修理が行われた。神内は平静を取り戻した帰り際も「緊張?

 それは大丈夫やったけど…」と言葉少なだった。

 秋山監督もため息をつくしかない。「打線は調子いいんだけど、守りがなあ。(先発の)6番目が決まらんなあ」。ローテの谷間となっている水曜日は今季3試合で全敗。過去2試合に先発した巽を含め、全試合で先発投手が4回をもたずKOされた。

 はたして打開策はあるのか。高山投手コーチは「ちょっと考える」と言葉を濁した。2軍では13日に大場が9回1失点、この日は岩崎が7回3失点と若手2人が結果を出しており、リリーフ陣には先発もできる小椋がいる。18日の楽天戦(福岡ヤフードーム)後には外国人右腕2人の入団テストも行われる。大型連勝や上位浮上を狙うには「魔の水曜日」をいかに克服するかがカギになる。

 [2010年4月15日11時24分

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