広島前田健太投手(22)が、プロ入り初の月間MVPに挑戦する。4月最終登板となる27日横浜戦(マツダ)先発を控え、26日はマツダスタジアムで練習を行った。今季はここまで5試合に先発し、3勝1敗。防御率1・85はリーグ2位にランクインするなど好調だ。ヤクルト・バーネット、巨人東野らライバルと競うが、3、4月度MVPは射程圏内。前田が快投で3連敗中の悪循環を断ち“初タイトル”も狙う。

 抜群の安定感で「初タイトル」を狙う。開幕から絶好調の前田健が27日の横浜戦で先発予定。エースナンバーに新たな発奮材料が加わる。3、4月度の月間MVPの受賞こそ春先からフル回転する大黒柱にとって何よりの勲章になる。前田健も言う。

 「獲れればうれしいですね。月の後半になって、勝っていればチャンスですから。いま、いい感じで試合で投げられている。いつも通りに投げたいですね」

 成長著しいマウンドさばきだ。前回登板の21日阪神戦(甲子園)では同点の8回1死満塁で城島とブラゼルを連続して空振り三振に料理。ピンチを乗り切って、8イニング1失点で今季3勝目を挙げていた。MVP投手賞を巡り、ライバルのヤクルト・バーネット(防御率リーグ1位1・73)や巨人東野(勝利数リーグ1位タイ4勝)らと争う立場だが4月最終登板の27日に快投で応えれば初受賞は現実味を帯びる。広島勢の受賞は09年5月度の大竹以来だ。

 球威、制球、フィールディング…。今季、披露しているクレバーな投球術は非の打ちどころがない。自身がもっとも成長の要因として挙げるのが、速球のキレだ。スライダー、カーブなどとのコンビネーションの妙も出てきた。「三振を取れるようになりました。いままでは取れなかったですから」。成長途上の前田健にはチームを背負う責務があるが、自然体でこなす。

 「チームが連敗していても、自分が嫌な気分で投げる感じにはならない。投げる試合は全部8、9回まで投げるつもりで投げています」。その言葉通り、投球回数はリーグトップの39イニングだ。今季初対戦の横浜には09年7月4日に投げただけ。6回持たず8失点KOされた相手だけに、リベンジを期す。広島は23日巨人戦から3連敗中。前田健が連敗ストッパーを果たせば、初タイトルにも自然と近づく。【酒井俊作】

 [2010年4月27日10時27分

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