広島の新外国人デニス・サファテ投手(29=オリオールズ3A)が早くも150キロ超えだ。沖縄キャンプ第2クール最終日の8日、初のフリー打撃に登板し、最速151キロの速球で石原と倉をキリキリ舞いさせた。見守った野村監督もビックリの最速100マイル(約161キロ)右腕は、その剛球で、昨季苦しんだカープ救援陣の強力な切り札になる。

 その球速に、ネット裏がどよめいた。打撃ケージの裏で、畝スコアラーが手にするスピードガンを関係者が次々のぞき込む。最速151キロ。40球のうち、25球投じたストレートのほとんどが150キロ前後だった。

 畝スコアラー

 最初から150キロ近く計時していたし、常時出ていた。最後の方はバテたのか146キロくらいだったけど、この時期に150キロはすごいです。

 打席に立った石原はヒット性0本に抑え込まれた。倉もヒット性3本はいずれも変化球を打ったもので、ストレートはファウルが多く、とらえ切れなかった。

 石原

 ボールは来ていたし重い感じ。内角はシュート、外はカット気味に手元で動いていた。制球に苦しむタイプでもないと思う。

 倉

 投手の球を打つのは(キャンプ)初めてだったしあそこまで速いと…。球も動いていて打者は合わせづらいんじゃないですか。

 スライダーは133キロから136キロ。人さし指をナックルのように立てて投げる独特のカーブは、125キロ前後。2種類の変化球を150キロの剛球に交え、緩急投法も自在だ。サファテも満足そうに振り返った。

 サファテ

 とてもいい感じで投げられた。でも100%の力ではないよ。コントロールしないといけないし、85%ぐらいの力。この時期としては順調だ。次からは(打球よけのL字形ネットを)外して、捕手にサインを出してもらい、打者と勝負する形で投げたい。

 最速100マイル男は、マイナーで過ごした昨季も94マイル(約151キロ)から99マイル(約159キロ)を平均で出していたという。夫人の出産に立ち会うため、3月初旬には1週間ほど米国へ帰国して不在となる。それを見越しての早めの調整だったが、野村監督も「この時期に150キロなんて、見たことがない」とビックリだ。

 昨季は永川勝やシュルツの故障で救援陣が苦しんだ。その不安を一掃するサファテの豪快デモに、指揮官は「いい仕上がり。ブルペンの選択肢が広がったなと感じる」と満足顔。「勝利の方程式」作りに手応えをつかんだ。【高垣

 誠】

 [2011年2月9日10時42分

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