また出た!!

 今度は152キロ!!

 広島の新外国人デニス・サファテ投手(29=オリオールズ3A)が22日、日南・天福球場で行われた紅白戦で2度目の実戦登板に臨み、守護神候補に浮上した。8日に打撃投手を務めて151キロを計測したが、さらに球速アップ。速球派不足の投手陣の中で、その存在がますます目立ち始めた。

 掛け値なしの本物だ。新助っ人サファテが臨んだ2度目の紅白戦。まるで砲丸のような重量感たっぷりの軌道で、容赦なくカープの主力打者に襲いかかった。4回に登板。先頭梵を力で圧倒して二飛に片づけると、東出にはスプリットで空振り三振を奪った。剛柔を使い分ける器用さを見せつけると、再び「剛」の顔へ。前田智にはオール速球勝負。最後は内角に投げ込むと、フルスイングのベテランがくるり回った。

 サファテ

 自分の仕上がりをパーセンテージで表すのは難しいけど、明日開幕でもしっかり投げきる気持ちでいるよ。良かったと思う。やりたいことを試すことができた。

 内容の濃い1イニング3者凡退だった。球速が出にくい広島のスピードガンは最速「152」を表示。沖縄キャンプ中だった8日に打撃投手を務めた際に151キロをマークし周囲をどよめかせたが、肌寒い日南でも腕を鋭く振る。首脳陣の評価も日増しに高まる。

 大野投手チーフコーチ

 いい状態だし、実戦でもいい球を投げている。パワー投手という触れ込みだけどその通り。まだ速くなる。(抑えの)候補は数人いる。これからの判断になるけど、当然なってもおかしくない。

 最速161キロ右腕の快投で、けたたましくゴングが鳴った。不動の守護神だった永川勝は昨季、右足内転筋を痛めて長期離脱し、1セーブにとどまった。起用に四苦八苦したが、今年は状況が一変。リリーフエースの座を巡って、激しいバトルが始まる。永川勝、シュルツ、そしてサファテがリングのロープをまたいでファイティングポーズだ。

 剛腕の印象だが、肩の力は抜けている。「全員の打者に同じ力の入れ方だよ。力を入れすぎずに、投げることを心掛けている。球速はあとからついてくる。アウトを取る、打ち取る意識だよ」。たけだけしさがある一方で、繊細さも兼ね備えるのが助っ人の魅力だ。

 サファテ

 自分は試合に出て「ここで投げてくれ」と言われれば、どこでも投げるつもりでいるよ。

 ジェイダ夫人が出産予定のため、7日から1週間程度、米国に帰国予定。その間も地元の大学生を相手に実戦的な練習を行う。「開幕まで時間はあるよ」。チーム屈指のパワーアームは着々と臨戦態勢を整える。【酒井俊作】

 [2011年2月23日10時49分

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