楽天にドラフト8位指名された日本製紙石巻の相沢晋投手(26)が13日、宮城・石巻市内で入団交渉を行い、契約金2500万円プラス出来高払い1500万円、年俸720万円で契約合意した。(金額は推定)

 「楽天・相沢」が誕生した。日本製紙石巻のゲストハウスで入団交渉に臨み、契約合意した。相沢は「見たこともない数字(金額)だったので驚きました」。さらに「今一番、勢いのあるチーム。そこで活躍するのが夢。早く1軍で投げられるように頑張りたい」と意欲を見せた。

 育ててくれた日本製紙石巻の木村泰雄監督(52)に対しても、最高のはなむけになった。10月下旬発表の人事で東京本社への転勤が決定。後任の伊藤大造コーチ(47)に託し、今月限りでチームを離れる。09年2月から5年間チームを指揮し、2度の都市対抗出場に導いた同監督は「いい選手たちに恵まれました。石巻を離れたくないが、いいタイミングでバトンタッチできた。活躍してほしい」とチーム4人目のプロ誕生を喜んだ。

 石巻専修大4年春の南東北リーグで開幕から全11試合に先発。8勝(2完封6完投)を挙げ、チームを全日本大学選手権に導いた“鉄腕”。そのスタミナに加え、球速も大学時代から最速146キロにまでアップさせ、けん制技術も高めた。楽天・安部井スカウト部長は「美馬タイプで、クイックのスピードはかなり速い。先発でも中継ぎでも強気のスタイルを崩さず、野手に信頼される投手になってほしい」と、日本シリーズMVPの美馬に続く即戦力の期待を寄せた。

 同シリーズ期間中は、「体形も投球スタイルも同じだと思うので、美馬さんにように投げれば活躍できるかな」とテレビ観戦。去就が注目される田中からは「メンタル面のことを聞いてみたい」と期待する。

 来年27歳の遅咲きの花。同年齢でプロ入りしたソフトバンク摂津からは、JR東日本東北の打撃投手に呼ばれた大学2年秋にカーブとシンカーを学んだ。シュートを武器にする相沢は「横だけでなく縦の変化球も練習して同じマウンドに立ちたい」と開幕1軍を目標に掲げた。【佐々木雄高】