新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」が6日(日本時間7日)に米ダラスで開幕する。今年は元WWEのジョン・モクスリーやKENTAら初出場が4人、ジュニア選手も含めた多彩な20人がそろった。29度目の夏を誰が制するのか。識者3人に注目のカードと見どころを聞いた。【取材・構成=高場泉穂】
◆斎藤文彦氏(57、プロレス評論家、ライター。在米中の81年からプロレスを取材。WWEの解説を務めるなど米プロレスの専門家)
★Aブロック テーマは「KENTAの夏物語」。KENTA対オカダ、棚橋、オスプレイ、飯伏の4試合はいずれも単純にだれでも見たい試合だ。KENTAの新日本でのポジションを決定づける夏の本場所。また、Aブロックの隠れテーマは、天才オスプレイの覚醒。
★Bブロック 初出場のモクスリー対内藤、ジェイ、石井、鷹木の4試合に注目したい。モクスリーは大物のノルマとして、Bブロック最多得点を。シングルマッチ全90試合はプロレス・スタミナの闘い。決勝戦はオカダ対モクスリーあたりか?
◆原悦生氏(64、スポーツカメラマン。40年以上プロレスを撮り続ける)
★Aブロック 前回決勝カードの棚橋対飯伏に注目したい。去年も棚橋は満身創痍(そうい)で動けなかった。だが、セコンドに柴田を携えた決勝だったから、飯伏相手に思いきり飛べた。今度は平場のリーグでの対戦。その中でどこまで動けるか興味深い。
★Bブロック 内藤対モクスリーは、かみ合わなそうな気がする(笑い)。お互いのやりたいことをやった時に、どんなプロレスが展開されるか、想像つかない。楽しみ。
◆小佐野景浩氏(57、プロレス評論家、ライター。元週刊ゴング編集長)
★Aブロック KENTA対オカダはイメージできない面白さがある。KENTAにはどうしても古巣ノアを見てしまう。一方のオカダは4月のMSG大会で新日本のエースとして米国、世界にアピールした。新日本、ノア、WWE、世界…と2人が背負うさまざまな背景を感じられる一戦。
★Bブロック タイチ対内藤戦を挙げたい。タイチは、6月9日大阪大会のNEVER無差別級タイトル戦で石井にベルトを奪われたが、キャラクターの底にある武骨なプロレスがかいま見えた。石井との再戦に加え、昨年ヘビー級転向のきっかけとなった内藤との戦いで本質を見せてほしい。2月のIC戦とはまた違った展開を期待する。
◆試合方式 すべて30分1本勝負。得点は勝ち2点、引き分け1点、負け0点。ブロック1位同士が8月12日に優勝決定戦。得点は直接対決の勝者が上位。1位が複数で直接対決の優劣がつかない場合は優勝決定戦進出決定戦を行う。