Aブロック第6戦が行われ、飯伏幸太(35)がIWGPインターコンチネンタル王者棚橋に2度目のシングル戦で初勝利を挙げた。プロレスラーを志した時から「神」とあがめる棚橋と故郷の鹿児島アリーナ、しかもメインで対戦。開始時こそ、声援で上回る相手をエンジン全開のプロレスで徐々に味方につけた。

 場外の棚橋に三角飛びから体を浴びせ、トップコーナーからなだれ式のフランケンシュタイナー。代名詞の過激なワザで棚橋を追い詰めた。最後はシットダウン式ラストライドから、両腕をつかみ引き寄せながらヒザ蹴りを顔面にたたき込んだ。「神を超えたので『カミゴエ』にしてください」と悲願の勝利に興奮しながら、新ワザを命名した。

 小学生からプロレスラーを志し、運動場や海岸で練習に明け暮れた故郷・鹿児島。DDTなどインディー団体でプロレスを始め、1度はつかんだ新日本を16年2月に退団。そして再びメジャーに戻り、故郷のメインで挙げた勝利だった。飯伏は3勝3敗と五分に戻し、単独首位の棚橋を引きずり降ろした。「これだけで棚橋さんに勝ったと思っていない。棚橋さんのプロレスは深い。ただG1はあきらめていない。ここから盛り返して優勝するぞ!」と叫んだ。【桝田朗】