ヒールユニット「鈴木軍」を率い、新日本プロレスのみならずプロレス界を席巻する「プロレス王」こと鈴木みのる(54)が、自らの入場テーマ曲「風になれ」に込めた熱い思いを明かした。7日、東京・国立代々木競技場第1体育館で17日に開催される新日本プロレス50周年を記念した音楽イベント「シンニチイズム ミュージックフェス」(日刊スポーツ新聞社後援)に向けた取材に対応。同曲を歌う歌手の中村あゆみ(56)も登場し、思い出話に花を咲かせた。

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鈴木がその曲とともに入場すると、日本国内はもちろん、米国、英国、カナダ…会場の大小を問わず、「カッゼーニーナレー!」の大合唱が沸き起こる。95年から使用する中村の「風になれ」。鈴木は「俺の主題歌。アニメでいうOP曲。歌を作ってもらったのは27年も前だけど、時間がたった今でもあの頃の気持ちとリンクする」としみじみと話した。

時代とともに数回のアレンジは加えながらも、曲自体を変更したことは1度もない。パンクラス後期に敗戦が続いていた際には、中村から「あたしの歌が悪いんじゃないの? もう変えなよ」と提案されたこともあったという。それでも、「逆に意地になって使い続けた」。ともに酸いも甘いも味わいながら成長してきたパートナーだ。

鈴木が中村と出会ったのは85年。高2の時だった。ラジオで中村の曲を聞き、一気に大ファンに。当時の夢は「有名なプロレスラーになること」だったが、そこに「いつかこの人と知り合って、絶対に俺の曲を作ってもらう」が加わった。

しかし、91年の初対面の際には「『初めまして』以外の言葉が出てこなくて、写真を撮ってもらうのが精いっぱいだった」。その4年後、持てる人脈を駆使し、人づてにお願いしてようやく夢が実現した。あれから27年。「俺が世界で一番聞いている。あゆみさんよりも」。少年時代と変わらない熱い思いを打ち明けた。

中村は「ここまで使い続けてくれると思わなかった」と笑顔。「作品のおかげではない。継続は力なりではないけど、彼が使い続けてくれた結果、世界中に広まった。光栄です」と感謝した。17日は生演奏とトークショーで盛り上げる。「代々木体育館でも『カッゼーニーナレー!』の大合唱が聞けたらうれしい」と、呼びかけていた。

同イベントは、各選手の入場を彩るテーマ曲を、フルバンドで生演奏。現役レスラーからレジェンドまで、プロレスファンにおなじみの約30曲を、入場シーンや必殺技、名場面とともに、臨場感たっぷりに展開する。ゲストミュージシャンとして、VOWWOWの山本恭司、ギタリストのマーティ・フリードマンらが出演。選手によるスペシャルトークイベントも開催される。