プロレスリング・ノアは28日、31日後楽園大会へ向けた記者会見を都内で開催。タッグマッチで激突する拳王&大和田侑組と清宮海斗&大岩陵平組が、早くもこれ以上ないくらい険悪な雰囲気となった。

きっかけは大和田の発言。マイクを持つとなぜか第一声で「僕は清宮さんより拳王さんが好きです」。続けて「なぜなら、デビュー祝いに、このオーダースーツをプレゼントしていただいたからです。清宮さんからは何もありませんでした。だから感謝の気持ちを込めて、VCタッグリーグで前回勝てなかったですが、負けなかった。だから次、後楽園でしっかり清宮さんから勝ちたいと思います」とプレゼントのあるなしで拳王と清宮を比較し「拳王さんの方が好き」とアピールした。

拳王も「(大和田は)なかなか面白いことを言うようになったな。『清宮さんより拳王さんの方が好き』『清宮さんからは何もなかったです』。おい清宮! そういうところだよ、おい! お前は自分のことしか考えてねえのか。思いやりがねえんだよ。お前はなぁ、ノアのことを考えてやってんのか? ノアより自分のことしか考えてないから、そういうふうなことできんだよ。そんな思いやりのかけらもないようなノアの顔? ふざけんじゃねえよ! 次、31日後楽園、俺が、いや大和田がてめえを倒してやる!」と清宮の人間性まで攻撃した。

練習中の負傷による脊髄振とうのため戦列を離れていた清宮は、拳王の言葉に激怒。「あいかわらず拳王はぐちぐち、ぐちぐちと。ベルトのことに関しても、俺たちに勝ったら(GHCタッグに)挑戦するだとか言ってますけど。俺たちに勝ったら、この(VCタッグリーグの優勝)トロフィーを渡しますし、(ジャック・モリス&アンソニー・グリーンが保持するGHCタッグ王座に)挑戦だってすればいい。でも俺たちが勝ったら、もう俺に関わんな。簡単にひと言で言うと、お前めんどくせえんだよ」と、今回のタッグ戦に勝ったあかつきには、拳王と絶縁すると言い放った。

これに対して拳王は「おい、俺がてめえに関わんなかったら、まったく光らねえだろ。それとな、もちろん俺は勝つよ。勝ったら挑戦してやるよ、GHCタッグに。だが、こんな陳腐なトロフィーだけはいらねえよ」と、自分がいなければ清宮は輝かないと強調。VCタッグリーグのトロフィーについては受け取りを拒否する構えを示した。

そんな中で大岩が「なあ大和田、お前、好き嫌いでプロレスしてんのか。なめてんのか。ふざけんなよ! あと(VCタッグリーグで)引き分けたあとに『勝てなかったけど、負けなかった』って言ってたけど、勝つつもりでこいよ!」と清宮を援護した。

しかし拳王が「いやあ『勝てなかったけど、負けなかった』って。どこかの誰かから聞いたことあるぞ、おい」と、21年N1ビクトリーでの武藤敬司戦で引き分けた後、清宮が同じことを言っていたとチクリ。大岩が「今の海斗さんはそんなこと言わない」と反論すると、拳王が「昔は言ってたって知ってんだな」と揚げ足を取るなど、コメントの“瞬発力”では拳王&大和田組にやや分があった記者会見だった。遺恨を残した両者。リング上ではどちらが上か。31日ノア後楽園大会ではっきりする。【千葉修宏】