<バトル大賞:プロレス部門>

 ノアの三沢光晴さん(享年46)が最優秀選手賞(MVP)に輝いた。読者が選ぶ「第14回日刊バトル大賞」の集計結果が、24日までにまとまり、25日からプロレス、総合格闘技、ボクシングの3回に分けて発表する。プロレスのMVPは今年6月の試合中に亡くなった三沢さん。その勇姿はファンの脳裏に永遠に刻まれるはずだ。

 ファン投票では、三沢さんの得票率は22%に達し、プロレス大賞MVPの棚橋弘至(16%)やノア杉浦貴(13%)らを退けた。三沢さんの受賞は2年ぶり2度目。天国に旅立った今、受賞の声を直接、聞くことはできない。ノア田上明社長は、「私がノアを代表して、仏前に受賞を報告したいと思います」と話した。

 三沢さんは6月の事故で帰らぬ人となった。お別れの会には、2万6000人ものファン、関係者が参列。一方で、生前から尽力した臓器移植の啓発活動がクローズアップされた。激闘の記憶はもちろん、活動の幅広さ、存在の大きさが、数字になって表れたようだ。ファンからは「業界での貢献度を考えると、この人しかいない」(30代男性)といった声が多かった。

 東京・ディファ有明で23日、行われた興行では、今年亡くなったプロレス関係者をしのぶ祭壇が設けられ、「I

 miss

 you(いなくて寂しい)」のメッセージが添えられた。仲田龍GMが、小物を持ち寄って作ったものだった。「MVPはありがたい。みなさんの心のどこかに、これからも三沢光晴を置いてもらいたい」。願うような気持ちで、祭壇に向かうファンに目をやった。【森本隆】