暴力問題で動向が注目されていた大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、現役を引退した。日本相撲協会に引退届を提出、受理された。同日に福岡・太宰府市内で行われた引退会見が、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴力を認めて謝罪した14日以来、半月ぶりの肉声となった。
横綱日馬富士の貴ノ岩暴行現場に同席していた横綱白鵬(32=宮城野)は日馬富士の引退表明後、無言を貫いた。福岡市内で県警の再聴取を受けた後、日本相撲協会の危機管理委員会による事情聴取を受け、その後午後3時10分に姿を見せたが、日馬富士に関する質問に終始無言。険しい表情のまま、横付けされた乗用車に数秒で乗り込み、走り去った。
白鵬は午後2時ごろからテレビで生中継された日馬富士引退会見を見ていた可能性がある。前日28日には同じホテルで鳥取県警による事情聴取を受けたが、その際は報道陣の前に立ち止まり「知っているものを全て伝えました。後は(日本相撲)協会と警察の皆様に全てお任せしたいと思います」と話していた。この日は別人のような対応だった。
白鵬は26日の九州場所千秋楽の取組終了後、土俵上のインタビューで自分から「この土俵の横で誓います。場所後に真実を話し、膿(うみ)を出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」と発言。日馬富士が引退したことで“誓い”を果たせなくなった。【加藤裕一】

