役力士でただ1人、無傷で優勝争いを引っ張っていた関脇豊昇龍（23＝立浪）に、今場所初黒星がついた。
初対戦から連敗も、その後は4連勝中だった平幕の大栄翔（29＝追手風）と対戦。立ち合いで左から張って押し込んだが、残された後は押し込まれ、突き倒しで向正面の土俵下に吹っ飛ばされた。
報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長（元横綱北勝海）は、かねて豊昇龍に指摘していた苦言を呈した。「要領よく行っている。うまく、さばこうとした立ち合いが裏目に出た。もっとガツンと行かないと」。「張り差し」の言葉こそ出さなかったが、小細工するような立ち合いを戒めた。さらに「立ち合いでごまかしている。もっと苦労して勝つ（ことを覚えないと）。ガツンと行っての上手なりならいいが、苦労して勝つことを覚えてほしい。立ち合いでごまかして、まわしを取ろうという」と安易な立ち合いに注文を続けた。現状で次期大関候補1番手であることには変わりない。期待すればこその苦言に、豊昇龍は応えられるか－。
