この日、引退届を提出し受理された元大関の栃ノ心(35=春日野)について、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が報道陣のリモート取材に応じ、その労をねぎらった。

やはり膝の大けがで関取の座を失ってから大関の地位を射止めたことを、まずは評価。「照ノ富士もそうだけど、幕下まで落ちて(幕内に)戻ってきてから、よく大関に上がった。ケガが多かったけどよく我慢した」と褒めた。

パワー全開の四つ相撲も印象に残る。「(相手を)つり上げる力士は、なかなかいない。白鵬にもガップリ(四つ)で勝ったこともあるでしょう。個性がありました」と懐かしむような口調だった。今年1月の初場所で肩を脱臼し、引退の引き金にもなったが「肩の脱臼が影響したけど、それでもまた(春場所に)出てきた。普通の力士では、あり得ない、痛みに強い力士で、稽古もよくした」と、ねぎらいの言葉を続けた。