今場所こそ三役復帰を決め、来年はその先の大関返り咲きの階段を上る! 日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、大関経験者で注目の朝乃山(29=高砂)は番付を西前頭2枚目から1枚上げ、東前頭筆頭の位置につけた。
年内の三役復帰を当面の目標にしていた朝乃山。好位置につけていた先場所はチャンスだった。だが大関戦3連敗など、3日目からの4連敗が響いた。その後は7勝2敗と盛り返し、千秋楽では勝てば初優勝だった熱海富士(21=伊勢ケ浜)に貫禄勝ちし9勝目。番付運に恵まれれば返り三役の可能性もあったが、他の力士の昇降により今場所は筆頭にとどまった。
それでも平幕最上位ということで、勝ち越せば関脇だった21年秋場所(この時は出場停止処分中で全休)以来の返り三役は確実だろう。それ以上にファンが望むのは、出場停止中に番付を抜かれた現在の大関、三役陣を倒し優勝争いする、強い朝乃山の姿だろう。出場した過去6回の11月場所(20年の東京開催含む)では半分の3場所で負け越しがある。一方で昨年は関取復帰を決め、19年には11勝4敗の優勝次点で3場所後の大関昇進に弾みをつけている。一年納めの場所を有終の美で飾りたいところだろう。
今場所は、過去の対戦で6戦全敗の横綱照ノ富士も土俵復帰を目指しており、大関3人も先場所優勝の貴景勝、新大関の緊張感からも解かれた3場所目の霧島、2場所目の豊昇龍も満を持して臨むはず。関脇3人も、現時点で年間最多勝争いでトップに立つ大栄翔と、今年の年6場所で全て三役を務めた若元春、琴ノ若と多士済々の顔ぶれ。朝乃山にとっては難敵との対戦が続きそうで、文字どおり真価が問われる場所になる。それに打ち勝ってこそ返り三役、そしてその上の道が開ける。まずは早めに勝ち越しを決め、2ケタに白星を乗せ、優勝争いに加わりたいところだろう。
朝乃山は、日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドライン違反が、大関6場所目の21年夏場所中に発覚。翌7月の名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。その間、番付は大関→関脇→西前頭10枚目→東十両4枚目→西幕下2枚目→同42枚目→西三段目22枚目と急降下した。
土俵復帰した22年名古屋場所は、しこ名の「朝乃山英樹」の、下の部分を「朝乃山広暉(ひろき)」と本名に変え心機一転で再起の土俵に上がり、危なげなく7戦全勝で優勝。幕下は、2場所連続で5戦全勝から6番相撲でともに敗れたため6勝1敗だったが、2場所で通過し今年1月の初場所で関取復帰となる再十両を果たした。その場所は14勝1敗で優勝、そして3月の春場所は13勝で夏場所の再入幕を決めた。
幕内返り咲きを果たし東前頭14枚目で臨んだ、その5月の夏場所は、初日から7連勝。ストレートでの給金直しこそ逃したが、10勝1敗で残り4日を迎えた。12日目に大栄翔、13日目に照ノ富士に敗れ優勝争いから後退したが、残り2日は連勝し、幕内では20年7月場所以来となる12勝を挙げていた。7月の名古屋場所はケガで途中休場も、再出場からの4連勝で勝ち越しを決めた。
秋巡業の最終盤で左脚を痛め、肉離れの可能性もあるが、万全の態勢を整え九州場所に臨む。

