腰痛の悪化などで3場所連続休場中の横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が大相撲初場所(14日初日、東京・両国国技館)を出場することが11日、分かった。報道陣の電話取材に応じた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が明言した。2人で話し合いを重ねて最終的に前日10日に出場することを決めたという。「本人は調子が良いと言っている。稽古は足りていないが、本人がやると言っていますから」と説明した。

両膝手術明けとなった昨年5月の夏場所では復活優勝を果たしたが、次の名古屋場所から腰のケガに見舞われて3場所連続休場。23年本場所での15日間皆勤は夏場所だけにとどまり、横綱昇進後は在位14場所で8度(九州場所時点)の休場を余儀なくされるなど苦難が続いた。伊勢ケ浜親方によると、昨年九州場所直前は「腰が痛くて前に出る相撲が取れない」状況だったが、既に相撲を取れる状態にまで回復。今月9日の横綱審議委員会(横審)稽古総見では大関霧島、関脇大栄翔と計13番相撲を取り10勝3敗と復調の兆しを見せていた。

ただ、不安は残る。「番数は足りていない」と話し、正直なところは「やってみないと分からないというのが状況」だ。本人の意思を尊重して3場所ぶりの出場を決めたが、はたして15日間相撲を取ることができるのか。復活を印象づける活躍ができるのかに注目される。