大相撲の新大関琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が6日、千葉・松戸市の部屋で春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて稽古を再開した。

稽古再開初日とあって、時間は1時間足らずで相撲は取らず、四股やすり足などの基礎運動で汗を流した。今後は昇進に伴う関係各所へのあいさつなど多忙となる見込み。それでも「やることをやるだけ。こういう経験も、上がらないとできない。それこそ『うれしい悲鳴』なので」と、限りある時間の中で稽古し、節分の豆まきや花相撲などで、ファンから声を掛けられる機会が増えたことに感謝した。

春場所は父の師匠佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から継いだ「琴ノ若」として土俵に立つ。ただし「大関琴ノ若」は1場所限り。続く5月の夏場所は、祖父で元横綱の「琴桜」に改名する予定だ。父のしこ名で大関として土俵に立つという1つの目標は達成することになるが、もう1つの目標である「琴ノ若で優勝」には、最後のチャンスとなる。「なるようにしかならない。もちろん、こだわってはいきますけど、上がれたことが大事」。最初は琴ノ若での優勝に、こだわり過ぎない姿勢を示していた。ただ、随所に「逆に『何場所しかない』と思ってやれば、また一つ、臨み方も変わる」と、背水の陣の心意気をにじませた。

新大関で優勝すれば「琴桜」として臨む最初の場所が、綱とりとなる。親方や力士の名前が掲げられる木札の「大関」のすぐ左隣には自身のしこ名。右隣には「横綱」の木札が控える。それを見つめながら「あと一つ」と、つぶやいた。見据えるのは祖父と並ぶ横綱だ。そこに向けて「目の前の一番に集中していくことが大事」と、けっして偉ぶることのない振る舞いと同様に、これまでと変わらない姿勢を強調。横綱を目指す、1つ上のステージの戦いが始まった。