7月の大相撲名古屋場所で、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負って途中休場した、大関経験者の朝乃山(30=高砂)が27日、東京・両国国技館で行われた関取衆による力士会に参加した。同場所千秋楽2日後の7月30日に約2時間かけて左膝を手術。今月10日ごろの退院から、2週間ほどしか経過していないが、松葉づえなどを使うこともなく、軽快に歩くなど元気な姿を見せた。ほとんどの関取衆から欠席するものと思われており、姿を見せると「大丈夫なの?」「出られるの?」などと質問攻めで、驚きの声が相次いだ。

力士会後は通常のスピードで、自力歩行で帰途に就いた。その際に取材にも応じ「普通に歩けますよ。サポーターを着けているので大丈夫。リハビリの運動と思って歩いています」と、笑顔で現状を説明した。ただ現在、下半身はトレーニングなど筋力維持のための運動をできておらず「歩くぐらい。上半身は(トレーニングを)やっている。やらないとダメなので」と、四股、すり足などの基礎運動は、再開のメドも立っていない様子だ。

師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)はかねて「年内の復帰は難しい」と話していた。朝乃山はこの日、復帰時期については「師匠、病院と相談して。しっかりと治すことが優先」と、未定を強調した。東前頭12枚目だった名古屋場所は、初日から3連勝と好調だったが、4日目の一山本戦で敗れた際に大けがを負った。力士会では、その対戦相手の一山本から声を懸けられた。ただ、もともと大の仲良しだけに、互いに大笑いして話し込むなど、全くわだかまりを見せなかった。

他にも力士会では、膝の大けがで長期離脱した経験のある、前頭若隆景とも話し込む場面があった。朝乃山は「似たようなケガをしているので、いろいろと教えてもらえた」と。明かした。今場所は西十両3枚目に番付を落とし、秋場所(9月8日初日、両国国技館)を全休すれば幕下に転落する。復帰は早くても来年1月の初場所の見込みで、番付は三段目以下まで下げることが想定される。それでも再び幕内土俵に立つことが目標。この日、両国国技館から離れる際には「気持ちはまだ折れていないです」と力強く話し、再起への意欲に満ちていた。