大関経験者で西幕下筆頭の朝乃山(31=高砂)が、快勝で2勝1敗と白星を先行させた。東幕下筆頭の旭海雄に、右を差し、かいなを返して左上手を引く、右四つのお手本のような相撲で寄り切った。2日目の二番相撲で十両荒篤山に敗れていたが、中2日で心身を整えて臨んで連敗しなかった。「右がうまく入った。相手は潜ってくるとか、何をしてくるか分からなかったけど、自分の相撲を見失わないように心掛けて取った」と、正攻法での完勝を振り返った。
この日は、幕内だった昨年名古屋場所4日目の一山本戦で、左膝を大けがした日と同じ7月17日だった。長期離脱を余儀なくされることになった失意の日から丸1年。本人は「全く覚えていなかった」と笑い飛ばしたが、ようやく装具は外れたが、左膝の大きなサポーターは痛々しい。左右の筋力のバランスが崩れないよう、右膝にもけがの予防としてサポーターを施している。敗れた二番相撲の後、治療に行くと「左膝が張っている」と言われた。朝乃山は「結果は変わらなかったと思いますけど、その前日、前々日に(治療に)行っておけばよかったという思いはあります」と、敗れたことよりも、思い返した時に、万全の準備で臨めなかったことに、わずかに悔いが残っている様子だった。
「31歳。若い時は、寝て起きれば治っていたものも、今はしっかりとケアをしないといけない」と、年齢を重ねてきたことを実感している。そんな中、ともに弟弟子で同じく幕下上位の石崎、朝白龍がこの日、そろって無傷の3連勝を飾り、高砂部屋から十両に「トリプル昇進」の快挙が、現実味を帯びてきた。成績では2人に後れを取っていることに「悔しいですね」と、冗談めかして話した。ただ、それ以前には「自分がバンバン、ライバルを倒して、2人の昇進の援護射撃をしたい」と話していた。その言葉通り、昇進に最も近い東幕下筆頭の旭海雄を1勝2敗と黒星を先行させた。まずは自身の十両返り咲きが濃厚となる、勝ち越しを目指していく。

