AKB48武藤十夢(28)が28日、東京・立川ステージガーデンで2500人を集めて「武藤十夢卒業コンサート~やるだけやったから後悔なんかねぇ!~」を行った。

11年に12期生として加入。12年間を共に過ごした仲間19人、卒業生の倉持明日香(33)藤田奈那(26)に囲まれてステージに立ち、アンコールを含め全30曲を熱唱。アイドル、女優、気象予報士、ファイナンシャルプランナー(FP)の“四刀流”で活躍した集大成を見せた。

「1994年の雷鳴」でオープニング。この日から声出しが解禁されたファンから大きな声援がとんだ。武藤は「ついにこの時が来ました。ステージに上がったら、一面緑でうれしい。チームKの緑のサイリウムが揺れている」と笑顔を見せた。

「純愛のクレッシェンド」では、サプライズで倉持、藤田が登場。観客からは「オーッ」と驚きの声が上がり、武藤が「うれしい、超お世話になった先輩が来てくれた」と笑顔を見せると、藤田は「(卒業コンサートで)こんなに全曲出て歌っている人見たことないよ」。武藤が「倉持さん歌っているんですか?」と現在の活動状況を聞くと、倉持は「数億年くらい歌ってないよ。聞かれた人には『行く』とは言ったけど『出る』とは言ってないので大サプライズ、大成功」と笑顔を見せた。実妹の武藤小麟(22)とは「おしべとめしべと夜の蝶々」を妖艶に歌い上げた。

さらにスペシャルゲストとして、武藤が所属する生島企画室の生島ヒロシ会長(72)も登場。「皆さん、最高。ヒロシ、感激! AKB48の十夢ちゃんが歌っているのを初めて見たけど最高。アイドルで歌もうまいけど、普段の十夢ちゃんは真面目な努力家。これからも応援してくださいね」と、12年の選抜総選挙で49位になり、フューチャーガールズとして武藤が初センターを飾った「Show fight!」を紹介した。

武藤はAKBの選抜総選挙で12年に当時研究生ながら49位にランクインすると、13年に45位、14年に24位、15年に16位、16年に10位、そしてラストとなった18年には7位と着実に順位を上げて成長した。「16歳で入って何も出来なくて、気が付けば上から2番目になっていた。12年前に12期生研究生として入った時は、最後がこんなにすてきになるとは思っていませんでした。本当にありがとうございます」と振り返った。

「最初は何も出来ずポンコツだった。ポンコツだった私が成長できたのは、諦めずにやってこれたから。悔いはありません」。そう振り返る武藤が目標にし、また励まされてきたのが、14年に卒業したチームKのキャプテンを務めていた大島優子(34)だった。

武藤は「優魂継承」を掲げて努力を続けてきた。大島からの手紙が「ポンコツだけどいとおしい、ポンコツだけど一生懸命。文句一つ言わずについてきてくれた。本当におめでとう。いつの日か、一緒にお芝居をできる日を楽しみにしてる」と読み上げられると、武藤は「優子さ~ん」と泣きながら「うれしい。ありがとうございます」と話した。

アンコールでは、オフィシャルファンクラブの開設と、4月19日に初の写真集を小学館から発売することを発表。最後には出演者全員で「After rain」を歌った。武藤は「思い残すことはありません。皆さん、今日は幸せな1日でした。本当にありがとうございました」と笑顔でステージから去った。

終演後に会見した武藤は「完全燃焼、やりきりました。悔いはありません。これからはお芝居とか資格を生かした仕事をしていきたい」。卒業後の恋愛にはついては「みんなに聞かれますが、機会があれば。ご縁があればと思います。充実した生活の中で、それ(恋愛)が充実すればいいですね」。結婚については「その前に、もらってくれる人がいるのかな」と話した。

12年間を振り返って「アッという間でしたね。光の速さ。12年って、小中高ですよね。そんな長さは感じなかった」と振り返った。大島からの手紙ついては「うれしかった。優子さんがいたから自分がいる。これからは夢は優子さんとの共演」と話した。

自分が大島から受け継いだ思いを受け継ぐ候補には、妹の小麟を挙げ「私にはない良さがあるので伸ばして頑張ってほしい。手紙には『時間は有限だから頑張れ』と書きました。個人的には『十夢魂継承』してほしい」と期待をこめた。