米アカデミー賞の前哨戦とされるトロント国際映画祭が5日に開幕し、15日まで10日間にわたって多くの力作がお披露目されます。270を超える作品が出品された今年の映画祭は、高い評価を受けた作品を集めたセンターピース部門に43作品が選出され、日本からも黒沢清監督がメガホンを取り、俳優菅田将暉主演のサスペンススリラー「Cloud クラウド」が北米プレミア上映されるなど3作品が出品されています。
7日に閉幕したベネチア国際映画祭や5月のカンヌ国際映画祭で注目を集めた作品がトロントでも複数ラインアップされていますが、昨年の米俳優組合のストライキを乗り越えて2年ぶりに多くのスターたちがレッドカーペットに復帰する今年のトロント国際映画祭の注目作品を紹介します。
■「メガロポリス」
40年もの歳月をかけて製作された巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督のSF大作。俳優アダム・ドライバーが妻の死に打ちひしがれて時間と空間を制御できる革新的な建築資材の発明に人生をかける男を演じた作品は、ワイン事業で得た1億2000万ドルの私費を投じてようやく完成したものの、興行的な成功は見込めないと酷評されているという点でも話題です。
■「エルトン・ジョン:ネバ―・トゥー・レイト」
2023年に50年以上に及んだツアー生活から引退したエルトン・ジョンの人生と音楽キャリアに焦点を当てたディズニー+が製作を手掛けるドキュメンタリー。2022年11月に米ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われた最後の北米公演の準備を行うジョンの姿が描かれ、キャリアの最高点と最低点についての回想なども盛り込まれています。
■「エデン」
「ビューティフル・マインド」(2001年)アカデミー賞を獲得したロン・ハワード監督がメガホンを取り、エクアドル・ガラパゴス諸島の無人島を舞台に俳優ジュード・ロウが主演するサバイバルスリラー。史実に基づくミステリーで、女優シドニー・スウィーニーやアナ・デ・アルマスら人気俳優も出演しています。
■「ウィズアウト・ブラッド」
女優アンジェリーナ・ジョリーが7年ぶりにメガホンを取り、脚本・製作も手掛けた作品。女優サルマ・ハエックと俳優デミアン・ビチルが主演し、イタリアの作家アレッサンドロ・バリッコ氏の小説を基にした20世紀初頭の人里離れた農場が舞台の殺人と復讐(ふくしゅう)の物語。
■「ナッツクラッカーズ」
シカゴでビジネスエグゼクティブとして活躍していたベン・スティーラー演じる主人公が、オハイオ州の小さな田舎町で孤児になったおいっ子たちの世話を強いられることになるデビッド・ゴードン・グリーン監督のドラマコメディー。
■「ザ・ルーム・ネクストドア」
7日に閉幕したベネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞した「安楽死」をテーマにしたスペインのペドロ・アルモドバル監督の新作。がんを患う女性が、自らの命を絶つ前に旧友と再会して最後の日々を過ごす様子を描いた作品。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)








