膠原(こうげん)病の闘病中であることを告白した女優の酒井若菜(36)が、病を著書のPRに「利用された」ことへの不信感をつづるとともに、病に向き合う現在の思いを明かした。

 酒井は2月、対談・エッセー本「酒井若菜と8人の男たち」(キノブックス)を発売。同書の中で、昨年初めに膠原病を発症したことを明かしたが、発売前のブログで「本が誤解をされてしまうと本望ではありませんので、少々訂正させていただきます」と、同書がいわゆる病気告白本ではないことを説明。PR担当者が本の趣旨とズレる病気公表の部分を大々的に取り上げてしまったが、酒井は「PRのかたも、もちろん悪気はありません。むしろプロフェッショナルな視点で、何がキャッチーかを考えて資料を制作してくださっただけです」とフォローしていた。

 それでもやはり、「本の出版のPRで『ヒキがある』という理由で勝手に病を利用されたことがとても悲しかった」と、当時の心境を19日付のブログにつづった。そうした経験から、12日に放送されたNHK Eテレ「リハビリ・介護を生きる」の出演にあたっても「病を利用しない」ことや「病や休業があったから文章を書いているわけではないのでそこを都合よく結びつけないでほしいということ」などを条件とし、編集後のVTRを事前にチェックし意に反する部分はカットしたが、「しかし、いざ見た告知では、病気、病気、病気 また病を利用されたように感じてしまい、なかなか受け入れられず、告知できませんでした」と明かした。

 「病を扱う番組に出演する人は、病を受け入れたり、乗り越えたかたが多いと思います しかし私はまだ、完全に病を受け入れられていません」という酒井だが、「でも番組でも話している通り、向き合うしかないことには向き合える、と思っているので、番組に携わる上で、病気、病気という文言にいちいちズキズキしていましたが、ようやく告知までたどり着きました 笑」と、同番組の再放送を自身のブログで告知。「私はやはり、自分の不幸や悲しみを振りかざすことが、得意じゃない」との一文で結んだ。