公開中のアニメ映画「君の名は。」を手がけた新海誠監督(43)が、「日経エンタテインメント!」誌が選ぶ今年の「ヒットメーカー・オブザイヤー」を受賞し、都内で12日、表彰式に出席した。

 映画は興行収入180億円を超える大ヒットを記録している。挑戦的な取り組み、社会に与えた影響を評価され、ほぼ満場一致で受賞が決まった。同監督は「昨年12月に製作発表をしたとき、1年たってこういった賞をいただけるとは思わなかった」と驚いていた。

 前日も公開初日を迎えた香港でPR活動を行うなど、まだ「君の名は。」フィーバーは収まらない。キャラクターデザインを手がけた田中将賀氏とは飲み仲間といい、「田中さんには『200億持ってるんだからおごってよ』と言われる。別に僕が持ってるわけじゃないです」と笑わせた。

 他にもスペインや英国など、映画祭などで海外に行くことも多く、「飲んでばかりです(笑い)」。報道陣からは必ずと言っていいほど、宮崎駿監督と比較する質問が出るという。「どの国に行っても、出るのはその話です。シンプルに思うのは、並べるのは過大評価であると、昨日(テレビで放送していた宮崎監督の)『紅の豚』を見ながら思った」と謙虚に語った。その上で、「宮崎監督は大きな手本だけど、同じ方向に行っても追いつけない。宮崎監督には久石譲さんの音楽のような手触りがある。(『君の名は。』で起用したロックバンド)RADWIMPSの音楽は、そのためでもある」と、宮崎監督を意識して作ったことも明かした。

 次作については「本当なら今ごろ(製作に)入り始めてもおかしくないけど、PR活動が4カ月続いて、まだ『君の名は。』の日々です。年内には企画会議に入らなければ」と、始動していないことを明かした。「まだ白紙だけど、11、12月ぐらいで見えてくればいいなと思う。観客の方々が何を望んでいるか、この1、2カ月で感じていければ。次、できたらまた見に来て下さい」と、ファンに呼びかけていた。