第5腰椎圧迫骨折後遅発性神経障害から手術をし、8月下旬から休養していたベテラン漫才師、酒井くにお(69)が28日、大阪・天満天神繁昌亭で、兄弟漫才コンビの大先輩をしのぶ「いとしこいしの夕べ」に出演し、仕事復帰した。

 しっかりした足取りで舞台中央のマイクへ寄ってきたくにおは、相方の酒井とおる(66)に向かい、いきなり持ちギャグの「とおるちゃんっ!」。客席から笑いを奪い拍手を浴びると、満面笑みでこたえた。

 くにおは8月ごろから腰痛や「歩きにくい」との症状を訴え、同半ばに大阪市内の病院へ検査入院。手術が必要との診断で、8月29日に手術を受け、しばらくリハビリに努めてきた。

 この日は、兄弟漫才の大先輩、夢路いとし・喜味こいしの往年の漫才VTRや、桂ざこば、桂米団治らゆかりの芸人がトークなどを披露。当代の「兄弟漫才第一人者」として、「くにお・とおる」の出番が決まっていた。

 くにおは「私はね、義理人情に堅い人間やからね」と言い、とおるは「今日のこの日にあわせて退院して(備えて)きました」と話していた。

 公演では、70年代、90年代、最晩年00年代の漫才映像3本も上映。上方漫才の至宝とも言うべき「いとこい漫才」の話芸に、客席は爆笑、拍手の連続だった。