吉本興業は24日、反社会団体の忘年会に出席していた、お笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之(49)らの芸人たち11人を、当面の間、謹慎処分にすることを発表した。

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近年、指定暴力団ではない不良グループ、通称「半グレ」が繁華街などで幅をきかせており、芸能人との接点が生まれやすくなっている。振り込め詐欺や脱法的ビジネスで多額の収益をあげている人間もおり、芸能関連業務に関わる人もいるため、「カネの力」を使いつつ、共通の知人などを通じて芸能人と交遊を持ちやすいわけだ。

半グレ組織に所属していた都内の30代男性は「芸能人の知り合いはたくさんいますよ。繁華街で遊ぶ芸能人とは自然に共通の知人に紹介され、こちらがクラブや飲食店、高級キャバクラなどで高額をおごるなどし、飲む仲になるんです」と説明。そして俳優や歌手、女性タレントなどいずれも有名な芸能人の「友人」の名を複数挙げた。

半グレ側としては、芸能人の友人がいることでステータスになりうる。一方で男性は「芸能人の中には、我々から女性を紹介されたり、薬物を入手するため、交流している人もいた」と話す。

落とし穴も多い。この男性によると、半グレと交流があった男性俳優は、女性とのトラブルが原因でクラブで土下座させられ、証拠写真を撮られたという。男性は「ほかにも、半グレメンバーと一緒に薬物を使用しているところを、別のメンバーに動画撮影され、その後、恐喝された芸能人もいた」と証言した。不良組織に詳しい捜査関係者は「半グレは指定暴力団と違い、交際の線引きが難しい側面もある。芸能人は、より注意を払って繁華街で飲んだほうがいい」と指摘した。