NHK木田幸紀放送総局長の定例会見が20日、都内の同局で行われた。大河ドラマ出演者の不祥事で放送に影響が出る事態が相次ぐ中、キャスティングについて、事前の確認を強化する考えを示した。

来年スタートの大河ドラマ「麒麟がくる」に1話から出演する女優沢尻エリカ容疑者(33)が違法薬物で逮捕されたことを受け、木田氏は「撮影が進んでいる中での逮捕という事態に、大変遺憾である」。降板も含め、「警察の捜査状況を見ながら、取り急ぎ検討中。放送まで時間がないのは我々もよく分かっている」と混乱を語った。

大河では、放送中の「いだてん」でも、ピエール瀧が放送中の今年3月に薬物による不祥事を起こし、代役を立てて撮り直しの事態に見舞われた。10月には、日本女子バレーボールの大松博文監督を演じているチュートリアル徳井義実の申告漏れが明らかになった。出演部分について、現在も「可能な限り再編集」に追われている。

取材陣からは「撮影が長期にわたる大河ドラマに関しては、キャスティングの際に薬物検査の義務付けも必要なのでは」との質問もあった。木田氏は「出演者の不祥事が相次いでいるのはご指摘の通り。所属事務所を通して事前に確認しているが、それでもこういうことが起きている。さらに対応を検討していく必要があると考えている」と語った。