特撮ドラマ「ロボコン」シリーズ20年ぶりの新作となる映画「がんばれいわ!! ロボコン」(石田秀範監督)が、7月31日に公開される。1974年(昭49)10月4日に、テレビ朝日系で第1作「がんばれ!! ロボコン」の放送が開始されてから46年。3月に映画の製作が発表されたタイミングから、継続してニュースを出しているが想像以上に反響が大きい。

「ロボコン」は、漫画家の石ノ森章太郎さんが原作を担当し、テレビ朝日系で「がんばれ!!-」が77年3月25日まで118話、放送された。赤くコーティングされたタマゴ型のボディーに、愛らしい眼が特徴的なロボット「ロボコン」が、ロボット学校から人間社会に派遣されて働く中で、ドジG級ロボットから成長していく物語。同時期に誕生した「スーパー戦隊シリーズ」「仮面ライダー」とともに子供たちの間で人気を呼び、最高視聴率は29・2%を記録した。

1999年(平11)には、「がんばれ!!-」をリメークした第2弾「燃えろ!! ロボコン」が、同局で1月から00年1月23日まで51話、放送された。99年12月10日には、新旧ロボコンが共演した特撮ビデオ映画「燃えろ!! ロボコンVSがんばれ!! ロボコン」が製作、発売された。

「がんばれいわ!!-」では、「燃えろ!!-」を手掛けた石田秀範監督と脚本家の浦沢義雄氏が20年ぶりに再タッグを組んだ。「がんばれ!!-」を見た世代が親となり、子供と2世代で見る作品として人気を集めた「燃えろ!!-」を経て昭和、平成、令和と3つの時代を駆け抜けてきた新生「ロボコン」として3、4世代の動員を狙う。

「がんばれいわ!!-」の出演者の多くが、人生のどこかで「ロボコン」に接している。主人公ロボコンの声を演じる声優斎藤千和は「『がんばれ!!-』は生まれる前なのですが、声優の仕事を始めた頃に『燃えろ!!-』が放送されていました。まさか20年たった今、やらせていただけるなんてとても光栄です」と喜んだ。

町の中華屋「全中華」を営む伊東カズオ役の芋洗坂係長こと小浦一優(52)は「がんばれ!!-」世代だ。「小学生の時にロボコンを見て育ったので、オファーが来た時には『ロボコン? ロボコン!? ロボコン!?』と3回聞きました。それくらい本当にびっくりしたし、ロボコンに関われるということが本当にうれしくて、感激しかなかったです」と語った。

カズオの妻で、ともに全中華を営む伊東ヨーコを演じる高橋ユウ(29)は「燃えろ!!-」世代だ。「ロボコンは私が子供の頃にもやっていて、すごく記憶に残っている作品ですし、まさか携われると思っていませんでした」と感激した。

中華料理の暴走という謎の事件に巻き込まれる、トルネード婆々役の清水ミチコ(60)は「年の離れた弟ととても楽しみに見ていました。ロボコンのフォルムもすごく好きで、今回オファーが来て、喜んですぐに引き受けました」と、弟との思い出がオファーを受けた決め手だと語っている。

記者は「がんばれ!!-」世代で、子供の頃、最もお気に入りだったおもちゃはロボコンの超合金だった。胸のカバーを開くと、内部の機械の仕組みが見える作りになっている。あまりに遊びすぎたからか、胸のカバーは取れてしまい、内部の機械の画がむき出し状態で、さびていたのを今でも覚えている。

画の中には動力源らしきものも描かれていた。「がんばれ!!-」のロボコンの動力源はガソリンだったが、「燃えろ!!-」では電気に変わった。「がんばれいわ!!-」では、ロボコンの頭頂部のアンテナが太陽光を集めるソーラーパネル機能も加わった“サンサンレーダー”に進化し、動力源は太陽光になった。

原稿にはロボコンの歴史や進化についても書き込んだ。そのあたりが各世代の心に刺さったのか、有料エンタメコンテンツ「ニッカン芸能」では25日午後8時段階で、小浦と高橋と清水が「がんばれいわ!!-」に出演するニュースが、並みいる芸能ニュースを押しのけてアクセスランキングのトップを走っている。

記者が遊んだ「がんばれ!!-」のロボコンの超合金も、発売された当時の“ビンテージもの”はヤフーオークションで、開始価格で9、10万円の高値が付いている。“ロボコン旋風”が、どこまで巻き起こるか…公開が楽しみだ。【村上幸将】