30歳という、三浦春馬さんの早すぎる死から一夜明けた19日、出演予定だった“幻の主演ドラマ”のあったことが分かった。

突然の訃報の衝撃は大きく、日本国内はもちろん海外からも悼む声がSNSなどで多数あがり、“俳優・三浦春馬”の才能を改めて認識させた。

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三浦さんには“幻の主演ドラマ”が控えていた。

複数の関係者によると、情報公開はされてはいないが、来年配信予定の動画サービスHuluのオリジナル連続ドラマに、若手俳優とともにダブル主演するはずだったという。

劇中では、歌手になることを諦めきれない会社員を演じる予定だった。若手俳優とタッグを組んで歌手デビューし、日本武道館公演を目指すという役どころだ。今春にはメインキャストがほぼ確定。新型コロナウイルス感染拡大の影響などで撮影開始が遅れたが、早ければ来月にもクランクインをする予定だった。

早すぎる若き才能の喪失を惜しむ声は多い。ドラマで共演経験のあるミュージカル俳優井上芳雄(41)はこの日、TBS系情報番組「サンデー・ジャポン」に出演した際に「日本の演劇界にとって大きな損失。演劇界でも評価を高めていたので、まさかと思った」と話した。同時に「舞台を通して勇気を与えるメッセージを届け続けていた春馬くんだったので、このことから僕たちは何のメッセージを受け取ったらいいのか…」と、自殺をしたとみられることに戸惑いも隠せなかった。

4歳から児童劇団に所属し、7歳でデビューするなど、子役時代から将来を嘱望されていた。13年には米ニューヨークに語学留学を実施。「海外で仕事をしたい」と公言するなど、その目はしっかりと海外進出を見据えていた。12月には日英共同企画の新作ミュージカル「イリュージョニスト」に主演することが決まっていた。脚本、音楽、演出を手がけるのは英国の気鋭スタッフで、まさに世界に羽ばたくチャンスとなるはずだった。

突然の死から一夜。日本演劇界は世界と真っ向勝負のできる本格派俳優を失った喪失感に包まれている。