タレント押切もえ(40)がプロデュースするマンション「PREMIUM CUBE 世田谷 #mo」がこのほど東京・世田谷区内に完成し、現地を視察に訪れた。「無事にできてうれしいです。コロナ禍で直接の打ち合わせができなかったこともあり、現地で作業したすべての方に感謝したい」と喜んだ。

モデルやタレントなどの本業はもちろん、多彩な仕事ぶりで知られる。ファッション関係のプロデュースのほか、作家としての第2作が山本周五郎賞候補になり、15年には絵画作品が二科展に入選した。さらに、旅館をプロデュースした経験から12年に、プロデュース型マンションを手掛けるヴェリタス・インベストメント社からオファーを受け、今回の物件が8棟目になる。

これまでの作品を「すべてが好き」と語る押切だが、当初は女性が好きそうなラブリーなイメージだったという。「その時々のトレンドはありますが、女性が好きそうな大理石とか、高級感ある、かわいらしいイメージでパーツを選んでいました」。だが、購入者とじかに話しあう機会も増え、さまざまな意見を聞くにつれ、考え方も変わっていったという。「女性というよりはユニセックスなもの、モダンでシックな方がいいと思うようになりました。居心地のよさとは何かと、深く考えるようになりました」。

マンションのプロデュースは外観、エントランスから各部屋の内装、ドアノブの選択まで多岐にわたる。建設地の雰囲気も大事だといい、現地周辺の写真も大量に集めて検討するという。「近くに神社や公園があるとか、周囲の物件やマンションの雰囲気との調合も考えます。周囲から浮いてしまう物件は恥ずかしいですから。それでいて、オリジナル性が出るように工夫しなければなりません」。

この仕事を始めるようになってから、ほかのマンションが気になるようになったという。「怪しまれるかもしれませんが、気になる物件を見つけると、すぐ写真を撮ります。気になるタイルなどの素材を見つけると、担当の方にすぐ聞いて確認するようになりました」。先日も気になる素材を見つけたが「これは鉄なので、さびるので適さないと言われたり、デザインはよくても耐久性の低い素材だったりとか、いろいろと相談させていただいています」。

タイル1枚を選ぶのにも何十種類の中から選択し、組み合わせる。「カラーコーディネートも独学です。アイパッドでデザインを作り、色を付けています。(絵を描くので)色彩感覚などは生かされているのかもしれませんね」。

16年11月に、プロ野球楽天の涌井秀章投手と結婚し、18年3月に第1子を出産した。家族が増えたことで、家への考え方も変わっていったという。「癒やされる部屋を作りたいですね。ウイズコロナということもありますが、忙しく働いてストレスも多い社会なので、ホッとする家、少しの遊びもあって、自分らしくいられる家がいいですね」。

長男も2歳半になり、最近は自身が教育熱心だったことに気付いたという。「Eテレでもディズニーチャンネルでも、勉強に役立ちそうだとか、感性が伸びそうな番組とかに気付きました。先日も一緒に動物園に行ったり、息子が何をしたら楽しいとかを考えていますね」。長男も父親が野球選手だと認識するようになった。「私は芸術的なものが好きで、主人は運動系ですかね。子どもにはどちらのこともやらせて、興味が持てればいいですね。いろいろな可能性を与えてあげたいと思っています」。【竹村章】

◆押切(おしきり)もえ 1979年(昭54)12月29日、千葉県市川市生まれ。00年にViViのレギュラーモデルになるも約1年で降板。CanCamに転身し、01年から専属モデルとなり、蛯原友里、山田優らとともにブレーク。07年からAneCanの専属モデルに。13年に小説「浅き夢見し」で作家デビュー。16年11月に涌井秀章投手と結婚し、18年3月に第1子男児を出産。169センチ、血液型A。