人工知能(AI)技術を使って女性芸能人のわいせつ動画を無断で作成し、インターネット上に公開したとして、警視庁保安課は2日までに、名誉毀損(きそん)と著作権法違反の疑いで、熊本市の大学2年林田拓海容疑者(21)と兵庫県のシステムエンジニア大槻隆信容疑者(47)を逮捕した。ともに容疑を認めている。

保安課によると、「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画で、アダルトビデオ女優の画像と合成していた。こうした偽動画に関連した事件の摘発は全国初で、サイバーパトロールで発覚した。

国内では、同種被害が確認された芸能人が昨年から約200人に上り、3500本以上の動画があるという。

大手芸能事務所「エヴァーグリーン・エンタテイメント」はこの日、文書でコメントを発表した。

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本日、警視庁から発表があった通り、女性タレントの肖像とアダルトビデオ等の猥せつ動画を合成した、いわゆる「アダルトディープフェイク動画」に関して、アダルトディープフェイク動画を作成し、インターネット上にアップロードした被疑者3名が9月30日に警視庁および千葉県警、京都府警により逮捕されました。

昨今、この様な違法に作成された動画について、SNS上ではあたかも本物であるような書き込みや、被害を受けているタレント本人への攻撃、誹謗(ひぼう)中傷等が散見されます。

弊社は常々SNSが便利で人生を豊かにするツールであって欲しいと願っています。

「匿名」ということを利用した誹謗中傷、デマの情報や悪質な写真や動画のアップロード、そして悪意を持った拡散など、SNSの非常に悲しい使われ方が国内外を問わず、多くの人を傷つけ、また場合によっては最悪の事態を招いてしまうなど、大きな社会問題になっているのではないかと感じます。

そして、本来新しい情報の入手や、災害時などの安否確認、人々を楽しませるエンターテインメントなどに使用されるべきものが、このように人をおとしめる・はずかしめてしまうような使われ方をしている事を非常に悲しく思っております。

弊社といたしましては、誹謗中傷の発信者や悪意のある虚偽を拡散する者等、アーティストに直接・間接的な被害をもたらす可能性がある全てのことに対し、専門の法務法人とともに、可能な全ての法的措置を講じる所存です。

また厳罰や、情報開示手続きの迅速化など、未来に向けての法整備が早急に行われることを願います。

重ねてになりますが、SNSが災害などの緊急時はもちろん、エンターテインメント等々、多くの人々を救う手段であり、少しでも豊かに幸せにするツールであって欲しいと切に願っています。

尚、報道関係の皆さまにおかれましては、この件での憶測による記事掲載などにご留意頂けます様、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年10月2日

株式会社 エヴァーグリーン・エンタテイメント