大阪万博50周年記念プログラムの展示企画「根の力 THE POWER OF ORIGIN」(31日まで)が16日、大阪・吹田市の万博記念公園内にある大阪日本民芸館で初日を迎えた。

同館は70年大阪万博のパビリオン「日本民藝館」の建物を引き継ぎ、民芸運動の西の拠点として開館。今企画展では、民芸に影響を受けた現代美術作家や、幅広いジャンルで活躍するクリエーターの作品のほか、同館の収蔵品のうち、初期民芸運動参加者の孫、ひ孫がセレクトした作品166点を展示している。

今企画のディレクターの服部滋樹氏(50)は「新型コロナ禍で新しい生活様式と言われているが、民芸という考え方には新しい生活様式のヒントが隠されている。今回の企画は、現代アートの作家や歴史的技法を持つ人たちが民芸を現代に解釈して展示しています。ぜひ見に来てください」と呼びかけた。

出展者が選んだ同館の収蔵品のほか、出展者が制作した漆芸品、木彫、民芸運動にかかわる人物や書籍などの相関関係を示した巨大パネル作品も展示。民芸運動と深いかかわりがある陶芸家、河井寛次郎さんとひ孫の河井創太氏の陶芸品も並べられている。

木彫作品を出展した矢野洋輔氏(31)は「去年はあんまり展覧会の機会が持てなかったので、今回こうやって開催できてよかったと思っています」と喜んだ。

開催期間中の土、日曜日には、普及型コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」を遠隔操作し、リモート観覧も実施されている。