文化庁は3日、芸術分野の優れた業績を表彰する2020年度芸術選奨の文部科学大臣賞を俳優の岡本健一(51)やロック歌手の宮本浩次(54)、映画監督の諏訪敦彦(すわ・のぶひろ)さん(60)ら18人に贈ると発表した。新人賞は人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の作者吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんら10人と1組を選んだ。

岡本さんは元「男闘呼組」メンバーでジャニーズ事務所に所属。シェークスピアの舞台「リチャード二世」の演技が評価された。宮本さんはロックバンド「エレファントカシマシ」のボーカルを務める傍ら、女性歌手の昭和歌謡曲をカバーしたソロアルバムで巧みに心情を表現した。

諏訪さんは「風の電話」で、東日本大震災の遺族らが線のつながっていない電話に語りかけて犠牲者をしのぶ、岩手県大槌町に実在する電話をモチーフに被災少女の心の傷と再生を描いた。

吾峠さんは「鬼滅の刃」が社会現象化。新人賞にはシンガー・ソングライターの米津玄師(29)も選ばれた。

芸術選奨は今回が71回目。演劇、映画、文学など11部門で有識者が選考する。贈呈式は9日に東京都内で行われる。(共同)