先月末にスーダンの首都ハルツーム国際空港からカタールの首都ドーハに向けて離陸した、スーダンの航空会社タルコ航空の旅客機が、離陸からわずか30分後にコックピットに侵入した猫が原因で引き返す事態が起きていたことが明らかになった。

ニューヨーク・ポスト紙などによると、突然コックピットに現れた猫が機内の環境に神経質になったのか威嚇をはじめ、乗務員らが捕獲を試みたところさらに凶暴になって暴れだし、いらだった猫が機長にも襲いかかるなどしたことから機長は乗客の安全を考慮して出発した空港に引き返して緊急着陸をすることを決めたという。

猫は搭乗していた乗客のものではなく、どのように機内に侵入したかは不明だが、前日の夜から駐機していた格納庫の中で機体の清掃と点検をしていた際に野良猫が迷い込んでそのまま機内に侵入し、隠れていた可能性が高いという。気持ちよく寝ていたところ、飛行機が離陸して驚いたことでコックピットをハイジャックしたのではないかと地元メディアも伝えているという。

報道によると、同様の事件は過去にも起きており、先月もイスラエルの空港に駐機中の機内で猫が暴れているのが発見され、コックピット内に猫の爪によるひっかき傷や歯でかんだ跡が多数見つかったほか、2004年にもベルギーで乗客が持ち込んだ飼い猫がケージから逃げ出して暴れたために引き返す騒動も起きているという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)