森崎ウィン(30)が、映画「僕と彼女とラリーと」(塚本連平監督、10月1日公開)に主演し、自動車競技「ラリー」への出場を目指す青年を演じることが6日、分かった。主人公を支える幼馴染のシングルマザーを深川麻衣(30)が演じる。舞台となる愛知県豊田市出身の加藤ミリヤ(32)が、主題歌「JOYRIDE」を書き下ろした。

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11月に世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンド「ラリージャパン」が開催される豊田市と岐阜県恵那市を舞台に、森崎が家族と自身の再生と夢にかける若者を演じる。森崎が演じる主人公は、ラリーに打ち込み家庭を顧みなかった父の死後、残したガレージで本当は父とラリーに関わりたかった自分に気付く。経営が傾く中、父が世界を目指した友人とともに、久々に地元のラリーに挑戦しようとしていたことを知り、代わりに出場し、会社の経営は問題ないとアピールしようと決意する役どころだ。「美しい景色と心優しい人々に囲まれながら、心温まるストーリーの中で生きる事が出来て大変誇りに思います」と語った。

森崎演じる主人公を支えるシングルマザーを演じる深川は「初めてラリーという競技を知りました。モータースポーツに触れるのは人生で初めての経験でしたが、プロの方々のご指導のもと、撮影を通してこの競技が年齢・性別関係なく愛されている理由が分かった気がしました」とコメントした。

撮影は昨年11、12月に両市と名古屋市で行われた。劇中で主人公が目指す大会は「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ」という実在大会で、昨年11月15日に開催された豊田市大会で、実際にスタート直前のシーンなどを撮影している。森崎は、WRCに出場したチームの指導を集中して受けた。森崎はトヨタが初めてモータースポーツ用の車両を市販化したGRヤリスを運転するシーンも演じ「山あり谷ありな人生を、トヨタGRヤリスとともに走ったこの物語が明日への糧になれば幸いです」と語った。

◆森崎ウィン 1990年(平2)8月20日、ミャンマー・ヤンゴン生まれ。小学4年の時に日本に移り住み、中学2年の時に所属事務所スターダストプロモーションにスカウトされて芸能界入り。俳優・音楽活動をはじめ、スティーブン・スピルバーグ監督の18年の映画「レディ・プレイヤー1」でハリウッドデビュー。19年の映画「蜜蜂と遠雷」では、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。昨年は主演映画「本気のしるし」がカンヌ映画祭の公式レーベルに選ばれ、「PARADE」でソロ歌手としてデビュー。

◆「僕と彼女とラリーと」 早くに母と死に別れた北村大河(森崎)は、ラリーに打ち込む父の身勝手さが母の死を早めたと思い込み、大学入学と同時に故郷の豊田市から東京に出て俳優を目指したが、幼馴染の上地美帆(深川)から突然、父の死の知らせが届く。父はラリーで友人と世界を目指したこともある、数々の栄誉に輝いたメカニックで、自動車会社を退職後、地元の町外れでガレージを営んだ。死去後、経営が悪化した会社の存続を考えた大河は、父が久々に地元のラリー出場を目指していたと友人から聞き、代わりに出場することを決意する。