昨年3月に英王室を離脱したヘンリー王子(36)が、ポッドキャスト番組「アームチェア・エキスパート」に出演し、王室での生活は「トゥルーマン・ショー(24時間生活のすべてが撮影されてそのままリアリティー番組として放送されているジム・キャリー演じるセールスマンが主人公の1998年公開の映画)と動物園での暮らしを合わせたような感じだった」と語った。

「トゥルーマン・ショー」は、番組のセットの中で生まれ育ち外の世界を知らない主人公が、あることをきっかけに自分の置かれた状況に疑問を持つようになり、真実を突き止めるストーリー。ヘンリー王子は自身をこの主人公とダブらせていたようで、王室の一員であることの重責に苦労していた過去を赤裸々に明かした。

「20代前半の頃は、“この(王族としての)仕事はしたくない”“ここにいたくない”という気持ちだった。母に起きたことを見てみてよ。自分はこの先どうやって家族を持って落ち着くことができるっていうんだ?」と語り、不平を言わずに受け入れることを余儀なくされるおりの中の生活でバランスを崩してセラピーを受けたことも明かした。

しかしその後、メーガン妃と出会ってからはできないことに文句を言うのではなく、現実を変えるために精神的な助けを求めることにしたとヘンリー王子。そして、結婚をして子供を授かってからは、妻と子供が1997年にパパラッチからの追跡中に交通事故で亡くなった母ダイアナ妃の二の舞いになることを心配したといい、それが王室離脱の引き金になったことも示唆した。

また、不仲がうわさされる父チャールズ皇太子についてもふれ、「非難するつもりはないが、父は自分が両親からされたように私に接した。私はその連鎖を断ち切って自身の子供には受け継がないようにする」と語り、そんな気持ちから米国移住に至ったことも打ち明けている。そして米国に家族で移住してからは解放されたと感じているといい、「顔を上げることができ、気分が変わった。アーチを自転車に乗せてあげられるし、(英国よりも)少し自由に外を出歩ける」と環境の変化も明かしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)