歌舞伎座正面玄関前の絵看板などを手掛けた浮世絵師、舞台美術家の鳥居清光(とりい・きよみつ)さん(本名鳥居せつ子=とりい・せつこ)が24日、急性心不全のため、都内自宅で亡くなった。83歳。

通夜は30日、葬儀は31日、両日とも親族のみの密葬で、東京都台東区上野公園14の5寛永寺輪王殿第2会場で執り行う。喪主はめい鳥居蕗子(とりい・ふきこ)さん。

東京芸大日本画科を卒業後、日生劇場のデザイン室、舞台課に所属。その後、父で鳥居派8代目の鳥居清忠さんの元で修行。82年、鳥居派9代目鳥居清光を襲名。舞台美術や衣装なども手掛けた。

歌舞伎の絵看板は、上演する演目の登場人物や物語の一端を描いたもの。筋書(パンフレット)にも掲載されている。歌舞伎座によると、毎月書き下ろしで、上演中の「五月大歌舞伎」(28日まで)の絵看板も清光さんが描き、「六月大歌舞伎」(同3日初日)の絵看板も制作中だった。

エイボン芸術賞、長谷川伸賞、日本演劇興行協会賞、文化庁長官賞、松尾芸能賞特別賞など。05年、黄綬褒章受章。