乃木坂46松村沙友理(28)の卒業コンサートが23日、横浜アリーナで開催された。1期生として約10年間、明るいキャラクターと小気味いい関西弁のトークで「さゆりんご」の愛称で親しまれ、グループを盛り上げた功労者だ。「やりたいことを全て詰め込ませてもらいました」という異例の2部構成のライブで、ファンに感謝を伝えた。

2部構成の前半は、自らが率いるユニット「さゆりんご軍団」の単独ライブ。「解散ライブ」と銘打ち、既に卒業した伊藤かりん(28)佐々木琴子(22)中田花奈(26)も再集結し、「白米様」などをパフォーマンスした。松村をのぞいては唯一の現役メンバーとなった寺田蘭世(22)は「1曲1曲かみしめなきゃって思いますね。悲しい気持ちでいっぱいです」と寂しがった。松村は「こんな私に全力でついてきてくれた軍団員は、宝物です」と感謝した。

だが、パフォーマンスを終えると「さゆりんご軍団は、解散しません! こんなに愛されている軍団が解散するのって、寂しいじゃないですか」と叫んで、「さゆりんご軍団解散ライブ」と書かれた横断幕が落下した。伊藤かりんは「皆さん、茶番にお付き合いいただきありがとうございました。最初から皆さんおそらく、茶番だと気付いていたと思いますが…」と呼び掛け、ユーモアたっぷりの演出で盛り上げた。

後半は乃木坂46全体での松村卒業コンサート。りんごとハートが描かれ、赤とピンクに染まったステージで、初のソロ曲「さ~ゆ~Ready?」からスタートした。「乃木坂~踊れ~!」と叫ぶと、他のメンバーたちも一斉に登場。「ガールズルール」「夏のFree&Easy」「ロマンスのスタート」を披露し、ファン5000人を魅了した。

序盤のトークで、松村は「これでほんまに終わりって感じがせえへんけど、これが最後やって、ちゃんとかみしめて1曲1曲やらなアカンなって思います」と意気込み、「ウフフ。頑張り、まっちゅん!」と笑顔であいさつ。拍手を浴びた。

中盤は、松村とゆかりのあるユニット曲を中心に披露した。「でこぴん」では、親友の白石麻衣(28)卒業後、松村が寂しくないようにと会うたびに話し掛けてくれたという後輩、向井葉月(21)を白石のポジションに迎えてパフォーマンスした。「今、話したい誰かがいる」は新内眞衣(29)とデュエット。涙で声を詰まらせた新内と抱き合った。

ユニット「からあげ姉妹」を組む生田絵梨花(24)とは3曲歌った。生田から「いや~まっつん、寂しいよ。でも、楽しかった!」と身を寄せられると、見つめ合って涙ぐんだ。生田は「まっつんはすごく、何かをやりたいというエネルギーが強い人だと思う。アイデアマンだから、今日のライブもそうだけど、みんながびっくりするような企画をたくさん用意してくれました」と感謝した。

終盤には1期生8人で「泣いたっていいじゃないか?」を歌い、次々にメンバーたちが涙ぐんだ。本編ラストは「シンクロニシティ」で締め、「私がやりたいことを詰め込んで、私が言ったこと全部形にしてもらって、本当にすてきなライブになったなと心から思います!すごい楽しかったです!」と笑顔であいさつした。

アンコールではドレス姿で登場し、ロングスピーチで家族やスタッフ、メンバーやファンに感謝を伝えた。さらに「サヨナラの意味」「悲しみの忘れ方」をメンバーとともに歌い、身を寄せ合って涙した。続く「さ~ゆ~Ready?」では、メンバーたちからのサプライズで、バラの花を一輪ずつ手渡しされた。

ラストはセンターステージでメンバーたちに囲まれた。「乃木坂も、皆さんのことも本当に大大大、大好きで~す! 以上、さゆりんごでした。ありがとうございまっちゅん! これからも応援よろしくお願いしますね」と笑顔でアピールし、大きな拍手を浴びた。