デビュー45周年を迎えた歌手松山千春(65)の全国ツアー最終公演が30日、札幌のカナモトホール(札幌市民ホール)で行われた。

4月29日の千葉・市原市民会館を皮切りに全国12都市での開催予定も、緊急事態宣言の発令で東京と大阪公演などが中止に。それだけに「コロナ禍で影響もあったが来てくれたファンに感謝したい」と千春は感慨深げだった。

今年1月、45周年を前に、母ミヨさんが99歳で亡くなった。千春は「あと3カ月。100歳になったら盛大にお祝いしてやりたかったのに」と悔やむが、そのショックを乗り越えての全国ツアーとなった。

デビュー後、千春が最もこだわってきたのが毎年、春と秋に行ってきた2回の全国ツアー。だが、昨年はコロナ禍で初めて中止しており、今回は、実質的に1年半ぶりの全国ツアーとなった。

千春は「コロナウイルスの感染拡大ということもあって、各地の会場によって50%、65%と客席の使用率は違っていた。それでも仙台や福島などは100%で開催することが出来た。そういった中、東京と大阪公演などが中止になってしまったことが残念だった」と振り返った。

札幌公演は65%の入場者率。千春は「満席は出来なくとも、全国を旅して無事に札幌に帰って来ることが出来たのは良かった。どんな規制があっても、時間を制約されても、みんなの前で歌えることは楽しいし、幸せなことだと改めて実感した」。

公演はデビュー曲「旅立ち」で幕を開け、ヒット曲「恋」や昨春発売された「ヤーヤーヤーヤーヤー」などを熱唱、会場のファンも久しぶりに聞く生の千春の歌声に酔いしれていた。そしてアンコールでは「北海道が、日本が、世界が、平和で穏やかになり、みんなが豊かな人生を送ってもらえるように祈っています」とあいさつをして、「長い夜」「大空と大地の中で」などを熱唱した。